-
トップ
>
-
支那製
>
-
しなせい
ところが
支那製の
鏡は
皆、その
頃大陸から
輸入されたものでなくてはなりませんが、
不思議なことには
朝鮮の
南、
昔の
新羅の
國の
古墳は
日本の
古墳とよく
似てゐて
其中で
綺麗な
支那製の
花籃のなかへ
炭團を
一杯盛つて
床の
間に
飾つたと
云ふ
滑稽と、
主人の
編上の
靴のなかへ
水を
汲み
込んで、
金魚を
放したと
云ふ
惡戲が、
宗助には
大變耳新しかつた。
前には
日本製の
鏡は
支那製に
比べて
非常に
拙かつたのが、この
平安朝から
足利時代になつて、
支那の
同時代の
鏡と
比べて、かへって
巧く
出來、なか/\
優れたところがあるのであります。
例へば
模樣の
中にある
支那文字でも、
日本製の
鏡にはなんだかわからない
字の
形になつたり、
模樣もはつきりいたしません。それでこれをよく
見ますと
日本製か
支那製かの
區別はわかるのであります。