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摺剥
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すりむ
ふりがな文庫
“
摺剥
(
すりむ
)” の例文
何にも無い、畳の
摺剥
(
すりむ
)
けたのがじめじめと、蒸れ湿ったその
斑
(
まだら
)
が、陰と明るみに、黄色に鼠に、雑多の
虫螻
(
むしけら
)
の
湧
(
わ
)
いて出た形に見える。
菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
床
(
ゆか
)
に穴が
開
(
あ
)
いていて、気をつけないと、縁の下へ落ちる
拍子
(
ひょうし
)
に、
向脛
(
むこうずね
)
を
摺剥
(
すりむ
)
くだけが、普通の往来より悪いぐらいのものである。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
仕方が無いから直吉を指ヶ谷町の親分のところへやり、直ぐ來てもらつて、私も手傳つて死骸をおろしましたが、その時こんな
摺剥
(
すりむ
)
きを拵へてしまひました。
銭形平次捕物控:284 白梅の精
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
大勢
(
おほぜい
)
寄
(
よ
)
つて
集
(
たか
)
つて
己
(
おれ
)
を三つも四つも
打
(
ぶ
)
ち
倒
(
のめ
)
しアがつて、
揚句
(
あげく
)
のはてに
突飛
(
つきと
)
ばされたが、悪いところに石があつたので、
膝
(
ひざ
)
を
摺剥
(
すりむ
)
いて血が
大層
(
たいそう
)
出るからのう……。
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
下駄の
鼻緒
(
はなお
)
が切れる。その上俯向きに前へ倒れて、
膝頭
(
ひざがしら
)
を
摺剥
(
すりむ
)
くと云う騒ぎです。
妖婆
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
「ア、痛ッ、
面
(
かお
)
の皮が
摺剥
(
すりむ
)
けてしまいます、どうか御勘弁なすって下さいまし」
大菩薩峠:17 黒業白業の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
虫蝕
(
むしくい
)
と、
雨染
(
あまじ
)
みと、
摺剥
(
すりむ
)
けたので分らぬが、上に、
業平
(
なりひら
)
と小町のようなのが
対向
(
さしむか
)
いで、前に
土器
(
かわらけ
)
を控えると、
万歳烏帽子
(
まんざいえぼし
)
が五人ばかり、ずらりと拝伏した処が描いてある。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
叔母さんが
談
(
はなし
)
を付けにまいると、此方の奉公人が出て、
強談
(
ゆすり
)
に来たとか云って、御門の外へ
投
(
ほう
)
り出したので、顔を
摺剥
(
すりむ
)
き、叔母さんが大変に
怒
(
おこ
)
って花魁に焚き付けたのが始まりで
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「畜生、こんなに向う脛を
摺剥
(
すりむ
)
いてしまった」
大菩薩峠:11 駒井能登守の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ぴしゃアりと提灯を切られた時に
私
(
わっち
)
ア
胆
(
きも
)
を潰して、あの建部裏の
溝
(
どぶ
)
におっこッちまった、
好
(
よ
)
い塩梅に少し
摺剥
(
すりむ
)
いたばかりでたんと
負傷
(
けが
)
はしないが、泥ぼっけえ、寒くて仕方がねえから
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
摺
漢検準1級
部首:⼿
14画
剥
部首:⼑
10画
“摺”で始まる語句
摺
摺鉢
摺寄
摺違
摺物
摺足
摺付
摺硝子
摺抜
摺餌