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所在
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しょざい
ふりがな文庫
“
所在
(
しょざい
)” の例文
うっかりどこにでも出そうものなら、たちまち敵国の空中スパイに発見されて、こっちの新しい地下都市の
所在
(
しょざい
)
を
突
(
つ
)
き
留
(
と
)
められてしまう。
今昔ばなし抱合兵団:――金博士シリーズ・4――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
夫人の声は決定的な
辛辣味
(
しんらつみ
)
を帯びていました。それで女中等も
所在
(
しょざい
)
ない苦笑で相手するより仕方がないようでありました。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
何処
(
どこ
)
か近くの家で
百万遍
(
ひゃくまんべん
)
の念仏を称え始める声が、ふと物哀れに耳についた。蘿月は
唯
(
たっ
)
た一人で
所在
(
しょざい
)
がない。退屈でもある。
薄淋
(
うすさび
)
しい心持もする。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
いかにも
所在
(
しょざい
)
なさそうな、それでいて何となく落着きのない眼をして、教員室を出たりはいったりしていた。
次郎物語:04 第四部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
美的百姓は
木臼
(
きうす
)
に腰かけたまゝ、
所在
(
しょざい
)
なさに手近にある大麦の穂を摘んでは、掌で
籾
(
もみ
)
を
摺
(
す
)
って
噛
(
かじ
)
って居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
戦争中国内の
有様
(
ありさま
)
を
察
(
さっ
)
すれば
所在
(
しょざい
)
の
不平士族
(
ふへいしぞく
)
は日夜、
剣
(
けん
)
を
撫
(
ぶ
)
して官軍の
勢
(
いきおい
)
、利ならずと見るときは
蹶起
(
けっき
)
直
(
ただち
)
に政府に
抗
(
こう
)
せんとし、すでにその
用意
(
ようい
)
に
着手
(
ちゃくしゅ
)
したるものもあり。
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
壁にもたれて、いかにも
所在
(
しょざい
)
なさそうに、鼻の孔をほじったり無精髯を抜いたりしている。
顎十郎捕物帳:06 三人目
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
権利を
異
(
こと
)
にし、骨肉の縁を異にし、
貧富
(
ひんぷ
)
を異にし、教育を異にし、
理財
(
りざい
)
活計
(
かっけい
)
の
趣
(
おもむき
)
を異にし、
風俗
(
ふうぞく
)
習慣
(
しゅうかん
)
を異にする者なれば、
自
(
おのず
)
からまたその栄誉の
所在
(
しょざい
)
も異なり、利害の
所関
(
しょかん
)
も異ならざるを得ず。
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
だがどうしたものだか十秒たっても二十秒過ぎても、誰も出てこない。僕は仕方なく、室を飛び出すと、ミチ子の
所在
(
しょざい
)
を知るために、事務室へ出かけた。
階段
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
この
一間
(
ひとま
)
の置炬燵に猫を膝にしながら、
所在
(
しょざい
)
なげに
生欠伸
(
なまあくび
)
をかみしめる時であるのだ。
妾宅
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
いよいよ
怪
(
あや
)
しいかぎりの超人間X号は、今いずこにひそんでいるのだろうか。ダム
爆破
(
ばくは
)
以来、ここに十三日になるが、彼の
所在
(
しょざい
)
はさっぱり知られていないのだった。
超人間X号
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「いまも電話をかけましたが、
青竜王
(
やつ
)
は
所在
(
しょざい
)
が不明です。その前は十日間も行方が分らなかった」
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
殊
(
こと
)
に、余り客の立て
混
(
こ
)
んでいない
昼湯
(
ひるゆ
)
の、あの
長閑
(
のどか
)
な
雰囲気
(
ふんいき
)
は、彼の
様
(
よう
)
に
所在
(
しょざい
)
のない人間が、
贅沢
(
ぜいたく
)
な
眠
(
ねむり
)
から
醒
(
さ
)
めたのちの体の
惰気
(
だき
)
を、そのまま運んでゆくのに最も適した場所であった。
電気風呂の怪死事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
でも、ドイツ官憲の、懸命な
捜索
(
そうさく
)
から、モール博士の
所在
(
しょざい
)
がわかり、私は、身分をかくして博士の門下となり、盗まれた秘密の研究を、とりかえそうと、くるしい努力をしていたのだ。
人造人間の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
所
常用漢字
小3
部首:⼾
8画
在
常用漢字
小5
部首:⼟
6画
“所在”で始まる語句
所在地
所在箇所