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急立
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せきた
ふりがな文庫
“
急立
(
せきた
)” の例文
と
急立
(
せきた
)
つる『へいへい宜しうござりまする。それでは奥様しばらくここに。私はお先へ参つて御様子を』『ああさうして』と。
したゆく水
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
「旦那様、決してあなた、
勿体
(
もったい
)
ない、お
急立
(
せきた
)
て申しますわけではないのでござりますが、もし、お宿はお
極
(
きま
)
り遊ばしていらっしゃいますかい。」
伊勢之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
唯車上で身を揉んで、
無暗
(
むやみ
)
に車夫を
急立
(
せきた
)
てた。車夫が何だか腹を立てて言ったが、何を言っているのか、分らない。唯
無暗
(
むやみ
)
に
急立
(
せきた
)
てるばかりだ。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「行きましょう行きましょう。こんな所にぐずぐずしていられやしない」お島は
慄
(
ふる
)
えあがるようにして小野田を
急立
(
せきた
)
てた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
母の大病直ぐ帰るようにと
急立
(
せきた
)
てられて、思わず帰宅
仕
(
つかまつ
)
りました、ところが案外の大病、母の看護に心を奪われ、思わず
今日
(
こんにち
)
まで日を送りましたる次第
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
または環境からして危機を
孕
(
はら
)
み来る予感に襲われてでもいるためでしょうか、この無上の陶酔のうちに在って、わたくしは何か
急立
(
せきた
)
てられ、詰め寄せられている不安の感じを除きようもありません。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
満枝は
稍
(
やや
)
急立
(
せきた
)
ちぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
後から後からと他の学科が
急立
(
せきた
)
てるから、
狼狽
(
あわ
)
てて
片端
(
かたはし
)
から及第のお
呪
(
まじな
)
いの
御符
(
ごふう
)
の
積
(
つもり
)
で
鵜呑
(
うのみ
)
にして、
而
(
そう
)
して試験が済むと、直ぐ吐出してケロリと忘れて了う。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
口々に
急立
(
せきた
)
てらるる
忙
(
せわ
)
しさに、三人四人の
下女
(
おんな
)
は居たれど、我も客間へ用聞きにゆく事もありしに。
葛のうら葉
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
急立
(
せきた
)
つ胸を
押鎮
(
おししず
)
め、急ぎ宅へ帰って宅の者を見届に
遣
(
つか
)
わしましたる所、以前に
弥
(
いや
)
増す友之助の大難、最早
棄置
(
すてお
)
き難しと心得、早速蟠龍軒の屋敷へ駈付け、
只管
(
ひたすら
)
詫入り
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「十一時頃だったろう。着くと直ぐ、連れて帰ると言うから、お島さんが
此方
(
こっち
)
へ来ている話をすると、それじゃ
私
(
わし
)
が一人で行って連れて来るといって、
急立
(
せきた
)
つもんだからな」
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
が、お話の不思議さ、気が気でないで
急立
(
せきた
)
ちますよ、貴辺は余り落着いておいでなさる。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
翌日朝
夙
(
はや
)
くから、お島はぐずぐずしている小野田を
急立
(
せきた
)
てて家を捜しに出た。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
脱心
(
ぬかり
)
たりと心
急立
(
せきた
)
ち、本郷の
通
(
とおり
)
へ駈出でて、東西を見渡せば、一町ばかり
前
(
さき
)
に立ちて、日蔭を明神坂の方へ、急ぎ足に歩み行く
後姿
(
うしろつき
)
はその者なれば、遠く離れて見失わじと、裏長屋の近道を
潜
(
くぐ
)
りて
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
急立
(
せきた
)
てられ、多助おえいの両人は恥かしそうに坐っている所へ、太左衞門は酒を持って来て、まア嫁ッ子からと云われた時は、何というべき
言
(
こと
)
の
葉
(
は
)
も
岩間
(
いわま
)
の
清水
(
しみず
)
結び染めて、深き恵みに感じつゝ
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と
急立
(
せきた
)
てられまして、恒太郎は余儀なく親父の心を休めるために
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
急
常用漢字
小3
部首:⼼
9画
立
常用漢字
小1
部首:⽴
5画
“急”で始まる語句
急
急遽
急須
急足
急込
急湍
急激
急病
急度
急勾配