)” の例文
そうしてこの下に、天子の召使とも見える采女ウネメがいた。宮廷の采女は、郡領の娘をして、ある期間宮廷に立ち廻らせられたものである。
最古日本の女性生活の根柢 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
脱公が都へし環さるるに及んで、友仁もいっしょに往って朝廷に仕え、館閣を践歴し、遂に省部に翺翔こうしょうするようになった。
富貴発跡司志 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
一月いちげつ二十五日津軽承昭つぐてるは藩士の伝記を編輯へんしゅうせしめんがために、下沢保躬しもさわやすみをして渋江氏について抽斎の行状をさしめた。保は直ちに録呈した。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「宰相の楊公が江陵に府を開いて、才能のある者をしたいといっています。今が出世の時節です。早くおいでなさい」
且つげんえいなお存して、時に塞下さいかに出没するを以て、辺に接せる諸王をして、国中こくちゅうに専制し、三護衛の重兵ちょうへいを擁するを得せしめ、将をりて諸路の兵をすにも
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
八重事代主の神をし來て、問ひたまふ時に、その父の大神に語りて、「かしこし。この國は天つ神の御子にたてまつりたまへ」といひて、その船を蹈み傾けて、天の逆手さかて青柴垣あをふしがきにうち成して
会稽かいけい句章こうしょうの民、張然ちょうぜんという男は都の夫役ぶやくされて、年を経るまで帰ることが出来なかった。留守は若い妻と一人のしもべばかりで、かれらはいつか密通した。
然るに今又柏軒をすに至つたのは、正弘が治療の老手を得むと欲したものか。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
けだし二人皆実務の才にあらず、兵を得る無し。子澄は海に航して兵を外洋にさんとしてはたさず。燕将劉保りゅうほ華聚かしゅうつい朝陽門ちょうようもんに至り、そなえ無きをうかがいて還りて報ず。燕王おおいに喜び、兵を整えて進む。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
陶宗儀は天台の人で、元の末期に乱を避けて華亭かていにかくれ、明朝になってからされても出でず、あるいは諸生に教授し、あるいは自ら耕して世を送りました。
我らは抽斎の一たびされてったのを見た。その躋寿館せいじゅかんの講師となった時である。我らは抽斎のまさに再びされて辞せんとするのを見た。恐らくはそのまさに奥医師たるべき時であっただろう。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
孝昭帝こうしょうていのときに、令してひろく天下の才俊をすということになった。