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御身達
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おみたち
此所を
聞けよ、
二人の
人。……
御身達が、
言ふ
通り、
今新しく
遣直せば、
幾干か
勝れたものは
出来やう、がな、
其は
唯前のに
較べて
些と
優ると
言ふばかりぢや。
然れば、
然う
言はれると
私も
弱る。
天守からは、よく
捌け、
最早や
婦を
思ひ
切るやう
少い
人を
悟せとある……
御身達は
生命に
代へても
取戻したいと
断つて
言ふ。
何うぢや、それとも、
御身達に、
煙草の
吸殻を
太陽の
炎に
変へ、
悪魔の
煩脳を
焼亡ぼいて
美女を
助ける
工夫があるか、すりや
格別ぢや。よもあるまい。
有るか、
無からう。……
唯御身達のやうなものは、
活けて置かぬが
夥間の
掟だ。