引挾ひつぱさ)” の例文
新字:引挟
あゝ、わかしうなにかい、つれのものが、何處どこ二次會にじくわい引張出ひつぱりださうとして、わたしなか引挾ひつぱさんだ、……れをはづしたのだとおもつたのかい。
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
寢たるまゝにて微笑ほゝゑみながら此處だ/\拙者の股間またぐらに居と申ければ大勢一同に御客樣御虚談ごじようだんばかりと笑ひ出せしかばいや虚談じようだんではなし全く拙者が股間に引挾ひつぱさんで居る然れ共拙者がつれは見えぬ故先此奴こやつ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
其處そこ風呂敷ふろしきひぢなりに引挾ひつぱさんだ、いろ淺黒あさぐろい、はりのある、きりゝとしたかほの、びん引緊ひきしめて、おたばこぼんはまためづらしい。……
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
まさか、壺皿つぼざらはなかつたが、驚破すはことだと、貧乏徳利びんぼふどくり羽織はおりしたかくすのがある、誂子てうしまた引挾ひつぱさんで膝小僧ひざこぞうをおさへるのがある、なべ盃洗はいせんみづ打込ぶちこむのがある。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)