トップ
>
廓
>
なか
ふりがな文庫
“
廓
(
なか
)” の例文
場所は、
稲荷
(
いなり
)
町の
遊廓
(
くるわ
)
の裏だった。お蔦は
自前芸妓
(
じまえげいしゃ
)
として、
廓
(
なか
)
の大坂屋とか、山の
春帆楼
(
しゅんぱんろう
)
や風月などを出先に
稼
(
かせ
)
いでいるのである。
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
遣ってくれと言うから、
廓
(
なか
)
へ
曳
(
ひ
)
いて来たのに不思議はありますまいと
澄
(
すま
)
したもんです。議論をしたっておッつかない。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「徳寿さん。寒いね。べらぼうに降るじゃあねえか。おまえにゃあ
廓
(
なか
)
で二、三度厄介になったことがあったっけ。それ、このあいだも近江屋の二階でよ」
半七捕物帳:09 春の雪解
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
表徳は御免を
被
(
こうむ
)
り
廓
(
なか
)
へ往ってチョン/\格子か何かで自腹遊びをする積りで御免を被って師匠に逢おうと思ってると、此処で
出会
(
でっくわ
)
すなんざア不思議でしょう
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
廓
(
なか
)
へはいる以上は、遊ぶと決まっているじゃねえか。おれとて、石や木じゃねえんだからな」
右門捕物帖:09 達磨を好く遊女
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
▼ もっと見る
上杉家の国家老、
千坂兵部
(
ちさかひょうぶ
)
は、茶屋の若主人や、
廓
(
なか
)
から送ってきた女たちの
小提灯
(
こぢょうちん
)
にかこまれて、ひょろりと、手拍子に
無宿人国記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「お時さん。いけませんよ。きょうはこれから
廓
(
なか
)
にお約束があるんですから、まあ堪忍しておくんなさいよ」
半七捕物帳:09 春の雪解
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
だがね
堅
(
かて
)
え
子息
(
むすこ
)
さんでございますが、此の頃足を近く
廓
(
なか
)
へどん/\と
花魁
(
おいらん
)
を買いに往っても、若旦那が惚れて何うの
斯
(
こ
)
うのと云う方ではない、たゞ
浮
(
うか
)
れに
往
(
い
)
きなさるが、ほんの保養で
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
外はもうやがて
丑満
(
うしみつ
)
にも近い刻限だというのに、一歩大門を
廓
(
なか
)
へはいると、さすがは東国第一の
妖化
(
ようか
)
咲き競う色町だけがものはあって、
艶語
(
えんご
)
、弦歌、ゆらめくあかり、脂粉の香に織り交ざりながら
右門捕物帖:15 京人形大尽
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
久しぶりのお天気だし、
涼
(
すずし
)
いし、
紋着
(
もんつき
)
で散歩もおかしなものだけれども、ちょうど
可
(
い
)
い。
廓
(
なか
)
まで
歩行
(
ある
)
いて、と
家
(
うち
)
を出る時には思ったんだが、時間が遅れたから、茶屋の角で直ぐに
腕車
(
くるま
)
をそう言ってね。
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
女親のお才が死ぬと、怠け者で飲んだくれな紋日の虎は、家財をあらかた
博奕
(
ばくち
)
でハタいて、お綱を
廓
(
なか
)
へ売ろうとした。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「こっちへ来たらば、一度はお訪ね申そうと思いながら、いつも御無沙汰をしていました。八橋に聞きましたら、この頃はちっとも
廓
(
なか
)
の方へもお出でがないそうで……」
籠釣瓶
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
へえ
私
(
わたくし
)
は、へ……
廓
(
なか
)
の
幇間
(
ほうかん
)
でございまして、櫻川正孝と申しまするもので、若旦那様には
種々
(
いろ/\
)
御贔屓を戴きましたから、
疾
(
と
)
うにお見舞に上りませんければなりませんのでございますが
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
お才の名は、それからまもなく、
桐佐
(
きりさ
)
のたそや
行燈
(
あんどん
)
から隠れて、
廓
(
なか
)
の馴染みな人を相手に、
薗八節
(
そのはちぶし
)
の女師匠と変った。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
でも、たとえ捨てるほどな金があった日も、養父へ
貢
(
みつ
)
ごうと思ったことは一度もなかった。ただ、
不愍
(
ふびん
)
なのは、お三輪と乙吉と——
廓
(
なか
)
へ売られたもう一人の義理の妹。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ぼくの収入がやや確定してきたので、母も
廓
(
なか
)
のお針さん通いを止め、父も体のよい日は、横丁の隠居みたいに、近所の
碁会所
(
ごかいしょ
)
へ出かけたりして、この所まあまあ、家計は小康を得たようなものだった。
忘れ残りの記:――四半自叙伝――
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「河岸を代えて、
廓
(
なか
)
の入口のお茶屋に休んでいらっしゃいます」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“廓(
遊廓
)”の解説
遊廓(ゆうかく)は、公許の遊女屋(女郎屋)を集め、周囲を塀や堀などで囲った区画のこと。遊郭とも。
(出典:Wikipedia)
廓
漢検準1級
部首:⼴
14画
“廓”を含む語句
廓内
北廓
遊廓
一廓
廓然
外廓
輪廓
城廓
廓通
廓外
廓者
寥廓
廓寥
五稜廓
山廓
廓内京町
廓文章
廓落
色廓
内廓
...