幾枚いくまい)” の例文
思い出すと、いつか岡田と三人で、町へ散歩に出た時、写真屋を見つけて、三人一緒のや、一人ずつのや、幾枚いくまいも写真を撮ったことがある。
吸血鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
むら子供こどもらは、まどそとさけぶあらしのおとみみまして、幾枚いくまい蒲団ふとんをかぶっても、まだふるえがちにちぢこまっているのに、おじいさんはかけなければなりませんでした。
都会はぜいたくだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
エモンを字のごとくイモンと読んできぬけたもん心得こゝろえ小説家せうせつかがあつたさうだが、あるわか御新造ごしんぞう羽織はをり幾枚いくまいこしらへても、実家じつかもんを附けるのを隣の老婢ばあやあやしんでたづねると
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
わたくしはじめておにかかったときのお服装なりは、上衣うわぎしろ薄物うすもので、それに幾枚いくまいかの色物いろもの下着したぎかさね、おびまえむすんでダラリとれ、そのほか幾条いくすじかの、ひらひらしたながいものをきつけてられました。