トップ
>
干場
>
ほしば
ふりがな文庫
“
干場
(
ほしば
)” の例文
市中繁華な町の倉と倉との間、または荷船の
込合
(
こみあ
)
う堀割近くにある閑地には、今も昔と変りなく折々
紺屋
(
こうや
)
の
干場
(
ほしば
)
または
元結
(
もとゆい
)
の
糸繰場
(
いとくりば
)
なぞになっている処がある。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
今度は返事も
喉
(
のど
)
で殺し、だまって押入れから
編笠
(
あみがさ
)
を取って渡しましたが、幸い、裏は
紺屋
(
こうや
)
の
干場
(
ほしば
)
つづき、さっきのウカツな声とても、近所へまで聞かれたとは思われません。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかし長屋は右側ばかりで、左側の空地は
紺屋
(
こうや
)
の
干場
(
ほしば
)
にでもなっているらしく、所まだらに生えている低い秋草が雨にぬれて、一匹の野良犬が寒そうな顔をして餌をあさっていた。
半七捕物帳:12 猫騒動
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
鐵拳
(
かなこぶし
)
に
撲倒
(
はりたふ
)
す
勇氣
(
ゆうき
)
はあれど
誠
(
まこと
)
に
父母
(
ちゝはゝ
)
いかなる
日
(
ひ
)
に
失
(
う
)
せて
何時
(
いつ
)
を
精進日
(
しやうじんび
)
とも
心得
(
こゝろえ
)
なき
身
(
み
)
の、
心細
(
こゝろぼそ
)
き
事
(
こと
)
を
思
(
おも
)
ふては
干場
(
ほしば
)
の
傘
(
かさ
)
のかげに
隱
(
かく
)
れて
大地
(
だいぢ
)
を
枕
(
まくら
)
に
仰向
(
あふむ
)
き
臥
(
ふ
)
してはこぼるゝ
涙
(
なみだ
)
を
呑込
(
のみこ
)
みぬる
悲
(
かな
)
しさ
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
一山もある、
濡
(
ぬ
)
れた洗濯物を車に積んで
干場
(
ほしば
)
へ運んで
行
(
ゆ
)
く事もある。何羽いるか知れない程の
鶏
(
にわとり
)
の世話をしている事もある。古びた自転車に乗って、郵便局から郵便物を受け取って帰る事もある。
冬の王
(新字新仮名)
/
ハンス・ランド
(著)
▼ もっと見る
いつしかに春のなごりとなりにけり昆布
干場
(
ほしば
)
のたんぽぽの花
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
立枯
(
たちがれ
)
の木をへし折って、それを
蔓
(
つる
)
で
結
(
ゆわ
)
えて
干場
(
ほしば
)
を
拵
(
こしら
)
える。
大菩薩峠:06 間の山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
鉄拳
(
かなこぶし
)
に張たほす勇気はあれども誠に父母いかなる日に失せて
何時
(
いつ
)
を精進日とも心得なき身の、心細き事を思ふては
干場
(
ほしば
)
の傘のかげに隠くれて
大地
(
だいぢ
)
を
枕
(
まくら
)
に
仰向
(
あほの
)
き
臥
(
ふ
)
してはこぼるる涙を呑込みぬる悲しさ
わかれ道
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
干
常用漢字
小6
部首:⼲
3画
場
常用漢字
小2
部首:⼟
12画
“干”で始まる語句
干
干乾
干戈
干潟
干物
干支
干瓢
干渉
干魚
干上