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屯所
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とんしょ
ふりがな文庫
“
屯所
(
とんしょ
)” の例文
彼の背が、ドアに隠れると同時に、爺やの訴えで、山手
屯所
(
とんしょ
)
の巡査の一隊が、ここへ殺到して、騒然と、家の周囲をとり巻いた。
旗岡巡査
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これも滑稽な話で、新撰組の
屯所
(
とんしょ
)
へ入る盗賊があると思うのも、あったと届けるのも、共に虫のよい
骨頂
(
こっちょう
)
であるが、表面はそれで通った。
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
各寝室の
鉄格子
(
てつごうし
)
の窓には灯火が上下し、新館の上層には一本の
炬火
(
たいまつ
)
が走り動き、
傍
(
かたわら
)
の
屯所
(
とんしょ
)
にいる消防夫らは呼び集められていた。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
屯所
(
とんしょ
)
の小屋はテントがわりに、文字通り一夜の露を
凌
(
しの
)
げば足りた。鍬や
鋸
(
のこぎり
)
やホソなどを外気にさらさせないためのものであった。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
その線に
副
(
そ
)
ったところどころには武装巡警の
屯所
(
とんしょ
)
を設けて、内外の交通を断ちきってしまう。必要に応じては鉄条網をはりめぐらすこともある。
霧の蕃社
(新字新仮名)
/
中村地平
(著)
▼ もっと見る
しかし、ふと右手の街角にアメリカの駐屯兵の
屯所
(
とんしょ
)
が見えた。彼はいきなりその並んだ軍服の列の中へ飛び込んだ。
上海
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
そのために彼は
供奉
(
ぐぶ
)
警衛の人々の手から巡査をもって四大区十二小区の
屯所
(
とんしょ
)
へ送られ、さらに屯所から警視庁送りとなって、警視庁で一応の
訊問
(
じんもん
)
を受けた。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
のがれようと、しきりにもがく少女の体を、石岡はずるずる引きずるようにして
屯所
(
とんしょ
)
の小屋へ入った。——そして、あきれている半九郎のまえにどうんとつき倒した。
梟谷物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
救護隊の
屯所
(
とんしょ
)
なども出来て白衣の天使や警官が往来し何となく物々しい気分が漂っていた。
静岡地震被害見学記
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
五街道
(
ごかいどう
)
への出入り口出入り口に、浪人改めの隠し目付け
屯所
(
とんしょ
)
なるものを秘密に設け、すなわち、東海道口は品川の宿、甲州街道口は
内藤新宿
(
ないとうしんじゅく
)
、
中仙道
(
なかせんどう
)
口は板橋の宿、奥羽、日光両街道口は
千住
(
せんじゅ
)
に
右門捕物帖:20 千柿の鍔
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
大牢
(
ろう
)
のあった方の
溝
(
みぞ
)
を埋めて、その側の表に面した方へ、
新高野山大安楽寺
(
こうぼうさま
)
と
身延山久遠寺
(
にちれんさま
)
と、
村雲別院
(
むらくもさま
)
と、
円光大師寺
(
えんこうだいしさま
)
の四ツの
寺院
(
おてら
)
を
建立
(
こんりゅう
)
し、
以前
(
もと
)
の表門の口が憲兵
屯所
(
とんしょ
)
で、ぐるりをとりまいたが
旧聞日本橋:17 牢屋の原
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
いわゆる後家さんの
屯所
(
とんしょ
)
であろう。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
巡「
屯所
(
とんしょ
)
へ参れ」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
キュルテュール・サント・カトリーヌ街に足を止める通行人には、消防夫
屯所
(
とんしょ
)
の向こう、湯屋の表門の前に、
花卉
(
かき
)
や盆栽がいっぱい並べてある中庭が見える。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
七兵衛が島原の遊廓附近に
彷徨
(
さまよ
)
うて、お松を受け出す費用のために、壬生の新撰組の
屯所
(
とんしょ
)
へ忍び入った時に、山崎はたしか小間物屋のふうをして、そのあとを追い
大菩薩峠:18 安房の国の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「はあじゃないぞ貴公。人民の保護にあたる重務にある警察
屯所
(
とんしょ
)
の巡査が、
日向
(
ひなた
)
で犬の
蚤
(
のみ
)
なんぞ取っとるやつがあるか。——一等巡査殿が、あちらで探しとるじゃないか」
旗岡巡査
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして運搬係りのものと云えば、彼らは谷間に進められた
屯所
(
とんしょ
)
に向って、草屋根の草いきれもはげしい仮小屋に、器具や材料や、わけても糧食を肩にかついで運ぶのであった。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
お隅が出て
挨拶
(
あいさつ
)
すると、その巡査は区内の
屯所
(
とんしょ
)
のものであるが、東京裁判所からの通知を伝えに来たことを告げ、青山半蔵がここの家の寄留人であるかどうかをまず確かめるような口ぶりである。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「だれか一騎、すぐに
屯所
(
とんしょ
)
へ飛べッ」
右門捕物帖:31 毒を抱く女
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
消防
屯所
(
とんしょ
)
火事教育
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
彼は近くの
屯所
(
とんしょ
)
から一人の伍長と四人の兵士とを請求し、それを中庭に残して置き、ただ簡単にやってきたのだった。彼は門番の女からファンティーヌの室を聞いた。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
その後ろ姿を見て、兵馬は合点のゆかぬ思いをしながら壬生の
屯所
(
とんしょ
)
へ帰って来たのでありました。
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
関門
屯所
(
とんしょ
)
の営倉の中に、手錠をかけられたまま、露八は、ゆうべの
夜半
(
よなか
)
から
抛
(
ほう
)
り込まれていた。
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
消防夫
屯所
(
とんしょ
)
の所では低くなり、湯屋の所では高くなり、種々な建物で中断され、ラモアニョン旅館の上とバヴェー街の上とは高さが異なり、至る所に坂や直角があった。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
「では、京都へ来たらぜひ拙者のところへ寄り給え、三条の新撰組の
屯所
(
とんしょ
)
と言えば直ぐわかる。だが、隊へ来て、歳どん、歳どんは困るよ、土方先生とたずねて来いよ」
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
規定どおりに、彼は山手
屯所
(
とんしょ
)
の出張室へ帰って来た。
旗岡巡査
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
月心院の
屯所
(
とんしょ
)
の大きな火鉢を囲んで、伊東配下、御陵衛士隊の
錚々
(
そうそう
)
たるもの、鈴木三樹三郎、篠原泰之進、藤堂平助、
毛内
(
もうない
)
有之助、富山弥兵衛、加納道之助の面々が詰めきって
大菩薩峠:39 京の夢おう坂の夢の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
猟人らの言うように彼は取り巻いた。その出口を見張るために警官の一人を他の道から急いでつかわした。
造兵廠
(
ぞうへいしょう
)
の
屯所
(
とんしょ
)
にもどる一隊の
巡邏兵
(
じゅんらへい
)
が通ったので、それを頼んで引きつれた。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
「関門
屯所
(
とんしょ
)
へ」
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ちょうどこの時、邸外を通り合せたのが
白金
(
しろがね
)
に
屯所
(
とんしょ
)
を置く
荘内藩
(
しょうないはん
)
の
巡邏隊
(
じゅんらたい
)
でした。
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
衛兵の
屯所
(
とんしょ
)
もすぐそばにあった。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
彼等は喜んで一味と共に新撰組を去り、別に東山の高台寺へ
屯所
(
とんしょ
)
を設けたのだ。
大菩薩峠:39 京の夢おう坂の夢の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
表向き隊の
屯所
(
とんしょ
)
の方面は、今暁、昨晩からかけてものすごい人の出入りで、ものすごい殺気が
溢
(
あふ
)
れ返っていると見えたが、それも、やがて、げっそりと落ち込んだように静かになってしまったから
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「高台寺の
屯所
(
とんしょ
)
へ帰るのか」
大菩薩峠:39 京の夢おう坂の夢の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
屯
常用漢字
中学
部首:⼬
4画
所
常用漢字
小3
部首:⼾
8画
“屯所”で始まる語句
屯所内