“小勢(こぜい)” の例文
小勢(こぜい)な人数(にんず)には広過ぎる古い家がひっそりしている中に、私(わたくし)は行李(こうり)を解いて書物を繙(ひもと)き始めた。なぜか私は気が落ち付かなかった。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ああなにせよ小勢(こぜい)、いかに伊那丸があせっても、しょせん、百人足らずの小勢では洞門ひとつ突き破ることもむずかしそうである。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
其(その)囀(さへづ)る聲(こゑ)を壓(あつ)し去(さ)らうとして互(たがひ)の身體(からだ)を飛(と)び越(こ)え飛び越え鳴(な)き立(た)てるので小勢(こぜい)な雲雀(ひばり)はすつとおりて麥(むぎ)や芒(すゝき)の根(ね)に潜(ひそ)んで畢(しま)ふ。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
その時(とき)の私達(わたくしたち)の人数(にんず)はいつもよりも小勢(こぜい)で、かれこれ四五十名(めい)も居(お)ったでございましょうか。仕立(した)てた船(ふね)は二艘(そう)、どちらも堅牢(けんろう)な新船(あらふね)でございました。
下宿屋の御飯は大釜で沢山炊(た)きますからお米が少し悪くっても美味(おい)しく出来ます。小勢(こぜい)な家(うち)では大きなお釜で少し炊くからどうしても美味しく出来ません。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
なるほど、さすが信玄(しんげん)の孫(まご)だけあって、その眼力(がんりき)はたしかだ。しかしわずか七十人や八十人の小勢(こぜい)をもって、人穴城(ひとあなじょう)がなんで落ちよう。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とこの説明に小山再び難(かた)んずる色あり「ですがお登和さん、僕の家では小勢(こぜい)だから大きな鯛を ...
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
「味方は小勢(こぜい)なれども、正義の戦い。弓矢八幡(ゆみやはちまん)のご加勢があるぞ。われと思わんものは、人穴城(ひとあなじょう)の一番乗りをせよや」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大きい鶏を一羽買うと小勢(こぜい)の家では始末に困りましょうが食用に適するのは二、三百目の鶏ですから一羽買っても二、三日の料理に使えますし、直段(ねだん)も牛のヒレ肉一斤と大差はありません。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)