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嫗
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おうな
ふりがな文庫
“
嫗
(
おうな
)” の例文
三寸ほどの人間を見いだした翁も、三月の間に大人にまで成長するのを見まもっている
嫗
(
おうな
)
も、皆それを当然のことのように迎えている。
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
蘆の中に、色の白い
痩
(
や
)
せた
嫗
(
おうな
)
、
高家
(
こうけ
)
の後室ともあろう、品の
可
(
い
)
い、目の赤いのが、
朦朧
(
もうろう
)
と
踞
(
しゃが
)
んだ手から、
蜘蛛
(
くも
)
の
囲
(
い
)
かと見る糸
一条
(
ひとすじ
)
。
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
わが母はつれづれの
嫗
(
おうな
)
、永き日を子らが名書くと、手習らふと、たどたどし筆と墨や、その文字は父に習ひて、隆吉・鐵雄・家子・義雄と、その子らが名。
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
自分がそのような古い
嫗
(
おうな
)
であることを信じ、まのあたり義経・弁慶一行の北国通過を、見ていたようにも感じていた故に、その言うことが強い印象となったのではなかろうか。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
こゝに『高砂』の
翁
(
おきな
)
と
嫗
(
おうな
)
のやうな、古人の想像から生れて來た二つの像がある。
桃の雫
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
「
烏羽玉
(
うばたま
)
のわが黒髪は白川の、みつはくむまで老いにけるかな」(大和物語)という
檜垣
(
ひがき
)
ノ
嫗
(
おうな
)
の歌物語も、
瑞歯含
(
ミヅハク
)
むだけはわかっても、水は汲むの方が「老いにけるかな」にしっくりせぬ。
水の女
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
三太夫の言葉の終わらぬうちに、二匹の伏したる黒駒は、がばと毛皮を振り落とし、スックと立った
嫗
(
おうな
)
と若武者。お三婆は吹筒を持ち、五右衛門は
種
(
たね
)
ヶ
島
(
しま
)
を
携
(
さ
)
げて、三太夫を中に取りこめた。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
里の
嫗
(
おうな
)
に如何なる神ぞと問えば、宝登神社という。
知々夫紀行
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
山
(
やま
)
の
嫗
(
おうな
)
の
蠱
(
まじ
)
ものに
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
おかしと
現
(
うつつ
)
にも思ったが、いつごろ、どの時分、もう一人の
嫗
(
おうな
)
が来て、いつその姿が見えなくなったか、定かには覚えなかった。
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
わが母はつれづれの
嫗
(
おうな
)
、永き日を子らが名書くと、手習らふと、たどたどし筆と墨や、その文字は父に習ひて、隆吉・鉄雄・家子・義雄と、その子らが名。
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
と据えて出し、腰を
屈
(
かが
)
めた
嫗
(
おうな
)
を見よ。一筋ごとに美しく
櫛
(
くし
)
の歯を入れたように、毛筋が
透
(
とお
)
って、
生際
(
はえぎわ
)
の揃った、柔かな、茶にやや
褐
(
かば
)
を帯びた髪の色。
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
よき
翁
(
おきな
)
よき
嫗
(
おうな
)
としうち竝び
笑
(
ゑ
)
ますこの夜のあてにをさなさ
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
渠はこの介抱を
主
(
あるじ
)
の
嫗
(
おうな
)
に
嘱
(
たの
)
みて、その身は息をも
継
(
つ
)
かず再び
羸馬
(
るいば
)
に
策
(
むちう
)
ちて、もと来し
路
(
みち
)
を急ぎけり。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
よき
翁
(
おきな
)
よき
嫗
(
おうな
)
としうち竝び
笑
(
ゑ
)
ますこの夜のあてにをさなさ
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
酒みづき
白髪
(
しらが
)
嫗
(
おうな
)
は前伏しにその戸の
段
(
きだ
)
に
白夜
(
はくや
)
こごえぬ
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
嫗
漢検1級
部首:⼥
14画
“嫗”を含む語句
老嫗
志斐嫗
当麻語部嫗
嫗山姥
中臣志斐嫗
當麻語部嫗
嫗堂
嫗岳
嫗岳山彙
爺嫗
翁嫗