壁板かべいた)” の例文
そとにはゆきがちらちらとって、さむかぜいて、コトコトとまどや、やぶれた壁板かべいたなどをらしていました。元日がんじつも、こうして無事ぶじれてしまったよるのことであります。
金銀小判 (新字新仮名) / 小川未明(著)
かれは、おどろいて、あたりをまわしますと、あちらの壁板かべいたに、老人ろうじん少年労働者しょうねんろうどうしゃがはってありました。幸三こうぞうは、つばかりに、そののところへはしってゆきました。
新しい町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
息子むすこは、自分じぶんまれた、ふるいえなかへはいりました。すると、いろいろのおもが、そのままよみがえってくるのでした。壁板かべいたいた、子供こども時分じぶん楽器がっきが、なおうすくのこっています。
山へ帰りゆく父 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あちらにある物置ものおき軒端のきばへ、すずめがつくるとみえ、たえず往来おうらいしていたが、んでくるすずめは、わらくずや、いときれのようなものをべていて、かれらは、壁板かべいたこわれたあなから、たり
心の芽 (新字新仮名) / 小川未明(著)