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壁板
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かべいた
外には
雪がちらちらと
降って、
寒い
風が
吹いて、コトコトと
窓の
戸や、
破れた
壁板などを
鳴らしていました。
元日も、こうして
無事に
暮れてしまった
夜のことであります。
彼は、
驚いて、あたりを
見まわしますと、あちらの
壁板に、
老人と
少年労働者の
画がはってありました。
幸三は、
飛び
立つばかりに、その
画のところへ
走ってゆきました。
息子は、
自分の
生まれた、
古い
家の
中へはいりました。すると、いろいろの
思い
出が、そのままよみがえってくるのでした。
壁板に
書いた、
子供の
時分の
楽器が、なおうすく
残っています。
あちらにある
物置の
軒端へ、すずめが
巣を
造るとみえ、たえず
往来していたが、
飛んでくるすずめは、わらくずや、
糸きれのようなものを
食べていて、
彼らは、
壁板の
壊れた
穴から、
出たり