あが)” の例文
……でもね、どうぞ、恐がらずにあがってちょうだい。あまりひどいことにならないだろうってことだけは、自信をもって申しあげますわ
キャラコさん:04 女の手 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「オ、また一わんめんができて来ましたよ。さあさあ、おさきにおあがりください。して何ですか、そのお山というのは」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
岩「それでは何か途中であが金米糖こんぺいとうでも上げましょう、じゃア明日あしたわしが板橋までお送り申しましょう」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「お嬢さん、栄螺さざえの壺焼をおあがりなしていらっしゃい。名物でございます」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
さらもり彼の藥をお熊が手より入れて又七の前へ持來もちきたり是は母樣はゝさまよりお前に上んとて新場より取寄とりよせうをなればおあがさるべしと一年餘のあひだはじめてお熊の口より又七へ物云ものいひければ又七は喜び直樣すぐさまめし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「出来ました。おあがりなさい。」
(新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
喧嘩のけの字も申しませんゆえ何卒どうぞお許し遊ばして、御飯ごぜんあがって下さいまし、手を下さずとも親を乾し殺すも同様であるとの御一言は、文治郎身を斬られるよりつろうございます
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「ずいぶん手軽にすみましたね。……けさは、なにをおあがりになったの?」
キャラコさん:04 女の手 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
墓場からのぞかれては困りましょうね、旦那は薬喰いと云うが、此の頃は大層腥物なまぐさものあがりますが、腥物を食ったって坊様が縛られる訳でもないからねえ、当然あたりまえで、旨い物は喰った方がうがすね
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「さあ、メロンをおあがり。……まだ、すこし若いかも知れないが」
キャラコさん:06 ぬすびと (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
お母さまは茶椀蒸がおすきだが、いつでも、料理屋でこしらえたのよりは、文治郎の拵えたのが宜しいと仰ゃってあがるから、むしを拵えましょう…蒲焼かばやき小串こぐしの柔かいのと蒲鉾かまぼこの宜しいのを取ってこい
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「はやくおあがんなさいね、早く、ね」
キャラコさん:08 月光曲 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)