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からじし
ふりがな文庫
“
唐獅子
(
からじし
)” の例文
私が再び
頷
(
うなず
)
きながら、この
築地
(
つきじ
)
居留地の図は、独り銅版画として興味があるばかりでなく、
牡丹
(
ぼたん
)
に
唐獅子
(
からじし
)
の絵を描いた
相乗
(
あいのり
)
の
人力車
(
じんりきしゃ
)
や
開化の良人
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
引いた上、下の部屋には番頭さんと福次郎どんが、
唐獅子
(
からじし
)
のやうにがん張つて居るんです。いくら私が遊び好きでも、脱け出せやしません
銭形平次捕物控:179 お登世の恋人
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
用材は
楠
(
くすのき
)
である。それは地車の
唐獅子
(
からじし
)
の如く、眼をむいて波の上にどっしり坐り、口を開いて往来をにらんでいるのであった。
めでたき風景
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
その母に、いつも、くっついていたのが、般若の五郎という三ン下、さっきの鳥打帽の男、
唐獅子
(
からじし
)
の十郎さんの親父です
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
かたわらの飾り台の上に、大いなる青銅の
香炉
(
こうろ
)
ありて、香煙立ち昇る。傍に、
唐獅子
(
からじし
)
の陶器の
香盒
(
こうごう
)
を置く。王座のうしろに、丈高き二枚折りの刺繍屏風。
若き日の成吉思汗:――市川猿之助氏のために――
(新字新仮名)
/
林不忘
、
牧逸馬
(著)
▼ もっと見る
坂の中段もとに
平生
(
ふだん
)
並んで居る左右二頭の
唐獅子
(
からじし
)
は何処へか
担
(
かつ
)
ぎ去られ、其あとには中々馬鹿にはならぬ舞台花道が出来て居る。
桟敷
(
さじき
)
も左右にかいてある。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
唐獅子
(
からじし
)
を
青磁
(
せいじ
)
に
鋳
(
い
)
る、口ばかりなる
香炉
(
こうろ
)
を、どっかと
据
(
す
)
えた尺余の卓は、
木理
(
はだ
)
に
光沢
(
つや
)
ある
膏
(
あぶら
)
を吹いて、茶を紫に、紫を黒に渡る、
胡麻
(
ごま
)
濃
(
こま
)
やかな
紫檀
(
したん
)
である。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
大覚寺の松は舞っている、大安寺の藤は遊んでいる、永納の証ある『鷹』は見ましたけれど、毛利家にあるという『
唐獅子
(
からじし
)
』を見る機会を得ないのが残念です。
大菩薩峠:31 勿来の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
きょうも明るい日が大きい
甍
(
いらか
)
を一面に照らして、堂の
家根
(
やね
)
に立っている幾匹の
唐獅子
(
からじし
)
の眼を光らせている。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
三日ほどまえから、
黄昏
(
たそがれ
)
どきになると一束の花を持ってここへ電車でやって来て、東京市の丸い紋章にじゃれついている青銅の
唐獅子
(
からじし
)
の下で、三四時間ぐらい黙って立っているのである。
葉
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
甲谷は銭石山の視線が、自身の話にようやく流れ込んで来たのを感じると、ますます乗り気になって、八仙卓の彫刻の
唐獅子
(
からじし
)
の頭髪に、指頭の脂肪を擦り込みながら、ふと傍のお柳の顔を見た。
上海
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
紅毛の
唐獅子
(
からじし
)
が百匹も一度におどり出すようであった。
Liber Studiorum
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
餌
(
ゑば
)
に飽きたる
唐獅子
(
からじし
)
も
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
その徳蔵が気楽さうに、
牡丹
(
ぼたん
)
に
唐獅子
(
からじし
)
の画を
描
(
か
)
いた当時の人力車を引張りながら、ぶらりと見世先へやつて来ました。
雛
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
お銀様の見ている上段三間の大床の壁には、百年或いは二百年以上の時代を帯びた、金碧燦爛たる極彩色の、滝と、
牡丹
(
ぼたん
)
と、
唐獅子
(
からじし
)
が描かれているのであります。
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
隊長の両腕に、
唐獅子
(
からじし
)
の彫青が見える。いやに落ちついた、馬鹿叮嚀な言葉つきで、夜目にも白く眼の光る、ちょっと凄味のある男である。きっと、今夜の演出家にちがいない。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
唐獅子
(
からじし
)
の彫青を包んでから、相手は、静かな語調で、呼びかけて来た。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
“唐獅子”の解説
唐獅子(からじし)、または獅子(しし)とは中国、日本に伝わる神獣である。
もとは仏陀の一族を守護するインドライオンがモチーフであり、中国に伝わるにつれて美術的、装飾的に図案化されていった。古来、獅子は百獣の王、瑞獣と考えられ、美術品の意匠として巻毛のたてがみを蓄えた勇壮な姿で描かれてきた。
(出典:Wikipedia)
唐
常用漢字
中学
部首:⼝
10画
獅
漢検準1級
部首:⽝
13画
子
常用漢字
小1
部首:⼦
3画
“唐”で始まる語句
唐突
唐
唐紙
唐土
唐桟
唐櫃
唐草
唐辛子
唐人
唐黍