命懸いのちが)” の例文
外國人がいこくじん命懸いのちがけでないと旅行りよこう出來できないくにである。國民こくみんはあゝ度々たび/\地震ぢしん火災かさいなやまされてもすこしもりないものゝようである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
工合ぐあひえゝつちこともねえが、んでも命懸いのちがけではたれえてんだから、他人ひとのがにやけえぜねになるやうにもえべが
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
昔はそれと違ってさむらいは皆命懸いのちがけの商買しょうばいだから、いざと云う時に狼狽ろうばいせぬように心の修業を致したもので
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あゝ、馬鹿ばかことをした/\。わたくし失策しくじりで、貴方あなた日出雄少年ひでをせうねんころしたとなつては大佐閣下たいさかくか言譯いひわけがない、このびにはるか、らぬか、ひと命懸いのちがけで猛獸まうじうども追拂おつぱらつてるのだ。
さあ、オツベルは命懸いのちがけだ。パイプを右手にもち直し、度胸を据えてう云った。
オツベルと象 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
花の中に抑へられたり鰻の児命懸いのちがけにて逃げにしものを
雲母集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)