トップ
>
可笑味
>
おかしみ
ふりがな文庫
“
可笑味
(
おかしみ
)” の例文
貧乏臭い間の抜けた生活のちょっとした処に
可笑味
(
おかしみ
)
面白味を見出して戯れ遊ぶ俳句、川柳、
端唄
(
はうた
)
、
小噺
(
こばなし
)
の如き種類の文学より外には求めても求められまい。
妾宅
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
日本人にはいったい、滑稽味が乏しいなんて言う人もありますが、どうして、この辺になると、古雅で、上品で、そうしてたまらない
可笑味
(
おかしみ
)
がございます。
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「鷺はなかなか軽妙にして飛び放れたる芸をなし、和泉もまた鷺のごとし、唯ひとり大蔵は堅実なる芸をなせば素人受けなき方なり。さはいえ厳格の中に
可笑味
(
おかしみ
)
あり」
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
まあ、その話に
可笑味
(
おかしみ
)
があるという程度のものですが、それでもおかしいと云えば確かにおかしい
半七捕物帳:64 廻り灯籠
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
こんなに腹を立てているくせに、八五郎の調子には、噴き出さずにいられない
可笑味
(
おかしみ
)
があります。
銭形平次捕物控:124 唖娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
談
(
はなし
)
はこれだけで済んでも、かなり
可笑味
(
おかしみ
)
もあり憎味もあって沢山なのであるが、まだ続くからいよいよ変なものだ。廷珸の知合に
黄〻石
(
こうこうせき
)
、名は
正賓
(
せいひん
)
というものがあった。
骨董
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
始終女の心になりて
可笑味
(
おかしみ
)
を
叙
(
の
)
べたもの故、ここも水
渉
(
わた
)
るため
脛
(
はぎ
)
高く掲げしかば、心にもあらで、ホヤの妻ともいうべき貽貝や鰒様の姿を、葦の影の間に映し見せたてふ
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
即ち飛び離れた東国の例は別にして、ホウシ区域は西隣では一様に、春の彼岸にもてはやされる法師になぞらえて、随分と気の利いた
可笑味
(
おかしみ
)
のある方言を採用しているのである。
野草雑記・野鳥雑記:01 野草雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「実に
可笑味
(
おかしみ
)
がある。僕は今朝これを読んで鼻から飯を吹き出した。正に
噴飯
(
ふんぱん
)
だよ」
負けない男
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
殊に漱石氏は子規居士が親分らしい態度をして無造作に人々の句の上に○をつけたり批評を加えたりするのを、感服と驚きと
可笑味
(
おかしみ
)
とを混ぜたような眼つきをして見ていたに相違ない。
漱石氏と私
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
則重の顔や話しごえがます/\
可笑味
(
おかしみ
)
を加えて来るように思われて、その三角の唇のあたりを眺めていると、どう気を取り直しても此の人のために忠義を盡す
料簡
(
りょうけん
)
にはなれないのだった。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
なるほど
狸
(
たぬき
)
の化ける三目入道や、見越し入道の類には
可笑味
(
おかしみ
)
も可愛気もあるが、しかし一つ目小僧の如きものが戸外から帰って来た自分の部屋などにだまって
坐
(
すわ
)
っていたらかなりこわいものだ。
ばけものばなし
(新字新仮名)
/
岸田劉生
(著)
と
掌
(
たなごころ
)
にて我が額を叩き、
可笑味
(
おかしみ
)
たくさんの身振にて、ずつと膝を進ませ。
誰が罪
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
与次郎の如きは篤実なる所より
可笑味
(
おかしみ
)
の出る者にて、この役にて名を留めたる坂東
寿太郎
(
じゅたろう
)
や二代目
三十郎
(
さんじゅうろう
)
は知らず、誰がしてもはしりもとや
冗口
(
むだぐち
)
に
己気
(
おのがき
)
を入れて、与次郎らしき者は近来絶無の姿。
両座の「山門」評
(新字旧仮名)
/
三木竹二
(著)
惜しいことには、鼻の一部と唇の一部にホンの少しばかり欠けがあるが、
情
(
なさけ
)
の中に何処か
可笑味
(
おかしみ
)
を添えて、
却
(
かえっ
)
て
趣
(
おもむき
)
をなすと云わば云われる。台石の横側に、○永四歳(丁亥)十月二日と彫ってある。
地蔵尊
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
惜しいことには、鼻の一部と唇の一部にホンの少しばかり
欠
(
か
)
けがあるが、
情
(
なさけ
)
の中に何処か
可笑味
(
おかしみ
)
を添えて、却て趣をなすと云わば云われる。台石の横側に、○永四歳(丁亥)十月二日と彫ってある。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
と
歎
(
なげ
)
きの中の
可笑味
(
おかしみ
)
で、互いにドッと笑いになりました。
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
可笑味
(
おかしみ
)
のある馬鹿気たことではないのである。
あめんちあ
(新字新仮名)
/
富ノ沢麟太郎
(著)
いずこの寺の門内にもよく在る
地蔵尊
(
じぞうそん
)
を始め、迷信の
可笑味
(
おかしみ
)
を思い出させる
淫祠
(
いんし
)
も、また文人風の禅味を覚えさせる風致も、共に神社の境内には見られない故でもあろう。
仮寐の夢
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
こんなに腹を立ててゐる癖に、八五郎の調子には、吹出さずに居られない
可笑味
(
おかしみ
)
があります。
銭形平次捕物控:124 唖娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
補ふにしばしば戯作者風の
可笑味
(
おかしみ
)
多き空想を以てし
半
(
なかば
)
支那
半
(
なかば
)
西洋の背景に浮世絵在来の粉本に
基
(
もとづ
)
ける美人を配合するなぞかへつて能く
怪訝
(
かいが
)
好奇の感情を表白せる事を喜ぶ。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
恰好
(
かっこう
)
も仕業も舞台そのままの
可笑味
(
おかしみ
)
で、ガラッ八は危うく吹き出しそうになります。
銭形平次捕物控:118 吹矢の紅
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そしてその平々凡々極まる無味単調なる生活のちょっとした処に、ちょっとした
可笑味
(
おかしみ
)
面白味を発見して、これを頓智的な極めて軽い芸術にして
嘲
(
あざけ
)
ったり笑ったりして
戯
(
たわむ
)
れ遊ぶ事である。
妾宅
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
可
常用漢字
小5
部首:⼝
5画
笑
常用漢字
小4
部首:⽵
10画
味
常用漢字
小3
部首:⼝
8画
“可笑”で始まる語句
可笑
可笑相