召仕めしつか)” の例文
「望みある者でございます。お召仕めしつかいくださいましッ。——主と仰ぎ奉って、身命をなげうって、働きたい望みある者でございますッ!」
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ヴィール夫人が彼女の家へ訪ねて来たとき、隣りの家の召仕めしつかいはバーグレーヴ夫人が誰かと話しているのを庭越しに聞いていた。
つとむる身分みぶんとして其儘そのまゝ召仕めしつかおきたるぞや假令たとへ當人たうにんより申出ずとも其方そのはうよりいとまを出すべきはずなり此故に何か樣子やうすあらんと申せしなりさだめ不義ふぎ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
これほどの屋敷をもっている以上、少なくとも然るべき女子供の二三人は召仕めしつかわなければなるまいというのであった。
番町皿屋敷 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
頼母たのもしいのと當人たうにん自慢じまんだけの生白なまじろところへ、足駄あしだをひつくりかへしたのは、門内もんない團右衞門だんゑもんとは隣合となりあはせの當家たうけ家老からう山田宇兵衞やまだうへゑ召仕めしつかへの、まはり葛西かさい飯炊めしたき
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それよりは御領内から絶世の佳人を捜出さがしだし、御傍に召仕めしつかわれては如何いかがでございましょう
どうぞ、私の生命ひとつ、拾い取って、お召仕めしつかい下さるなら、草葉の蔭の父も、御領下に生れた私も、共に本望にぞんじまする
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
僥倖さいはひに肥前屋小兵衞は二百八十兩程の代物しろもの只取たゞとりになし是より増々仕合せよく相成けるに付間口まぐち三間半の店をひらき番頭手代小僧共五六人召仕めしつかひ何れも江戸者を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
が、謙信のそばに、小姓として召仕めしつかわれ、その才を愛されていた。そのうち、上杉一族中の名家、直江大和守の跡目あとめが絶えようとした時、その養子に、謙信が
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
父は番頭となし娘のお竹はお菊と相應さうおう年恰好としかつかうなれば腰元こしもとにして召仕めしつかひけるが此者子供の時より吉三郎とも心安こゝろやすくお菊と云號いひなづけのことも知り居けるにぞ吉三郎が臺所だいどころより來りけるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)