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くちうら
ふりがな文庫
“
口占
(
くちうら
)” の例文
中には
薄々
(
うすうす
)
感づいて沼南の
口占
(
くちうら
)
を引いて見たものもあったが、その日になっても何とも
沙汰
(
さた
)
がないので、一日社務に服して家へ帰ると
三十年前の島田沼南
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
「旦那、一々さう旦那が仰しやつちや何にもなりません。この御女中の
口占
(
くちうら
)
から、いろ/\の事を見付け出すのが、私の方の
術
(
て
)
で」
銭形平次捕物控:022 名馬罪あり
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
宗近の言は
真率
(
しんそつ
)
なる彼の、裏表の
見界
(
みさかい
)
なく、母の
口占
(
くちうら
)
を
一図
(
いちず
)
にそれと信じたる反響か。
平生
(
へいぜい
)
のかれこれから
推
(
お
)
して見ると多分そうだろう。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
主人の
口占
(
くちうら
)
から、あらまし以上のような推察がついた今となっては、客も
無下
(
むげ
)
に
情
(
じょう
)
を
強
(
こわ
)
くしている訳にも行かない。
雪の宿り
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
婆は此の様を見て「アア貴方は甚蔵の敵でない、敵なら此の犬が斯うは
狃染
(
なじ
)
みません」余は口軽く「ナニ甚蔵に敵などある者か」と云いて
口占
(
くちうら
)
を引くに
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
▼ もっと見る
現場も調べてみなければならぬし、召使たちの
口占
(
くちうら
)
も、合わせてみなければならぬ。自宅へ電話をかけて、エッベとオーゲの二人の助手を呼ぶこととする。
グリュックスブルグ王室異聞
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
檜笠作りの六助の
口占
(
くちうら
)
を引いて、よく聞いておいたこと——懺悔する前には、水垢離の必要がある、護摩壇へ行く前には、御禊の池をおとずれねばならぬ。
大菩薩峠:05 龍神の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
第四種(
卜筮
(
ぼくぜい
)
編)
易筮
(
えきぜい
)
、
亀卜
(
きぼく
)
、
銭卜
(
ぜにうら
)
、
歌卜
(
うたうら
)
、
太占
(
ふとまに
)
、
口占
(
くちうら
)
、
辻占
(
つじうら
)
、
兆占
(
ちょうせん
)
、
夢占
(
ゆめうら
)
、
御鬮
(
みくじ
)
、
神籤
(
みくじ
)
妖怪学講義:02 緒言
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
旦那さまの
口占
(
くちうら
)
を引きながら、いい加減の嘘八百をならべ立てて、表に遊んでいるところを見識らない女に連れて行かれたの、それから京へ行って育てられたの、
継母
(
ままはは
)
にいじめられたのと
鼠
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
僕は三好を
詰
(
なじ
)
るような語句は用いなかったけれども、彼はこのような結果になったについては、自分にも一半の責めがあることを認め、丁寧な言葉で罪を謝したが、彼の
口占
(
くちうら
)
から察すると
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
お島は嫂の
口占
(
くちうら
)
を引いてでも見るように、そう言ってみた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「旦那、いちいちそう旦那がおっしゃっちゃ何にもなりません。この御女中の
口占
(
くちうら
)
から、いろいろの事を見付け出すのが、私の方の
術
(
て
)
で」
銭形平次捕物控:022 名馬罪あり
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
主人の
口占
(
くちうら
)
から、あらまし以上のやうな推察がついた今となつては、客も
無下
(
むげ
)
に
情
(
じょう
)
を
強
(
こわ
)
くしてゐる訳にも行かない。
雪の宿り
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
助手のオーゲはさっきから、控えの間脇の一室に陣取って、昨夜の召使たちの
口占
(
くちうら
)
を調べている。
グリュックスブルグ王室異聞
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
要するにこのかみさんも是非坑夫になれと云わぬばかりの
口占
(
くちうら
)
で、全然どてらと同意見を持っているように思われた。無論それでよろしい。またそれでなくってもいっこう構わない。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
なにも貴様の
口占
(
くちうら
)
を引いて、罪に落そうなんぞというのじゃない、ただ、そういう唄を聞いていると、最も正直な時代の声が聞えるというわけだ、おべっかや、おてんたらと違って
大菩薩峠:41 椰子林の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
花房一郎は足の勇を疑って、同じ社の監督者の地位にある千種を、
此処
(
ここ
)
までおびき寄せて
口占
(
くちうら
)
を引いて見たのです。
女記者の役割
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
私にはそういう茂十さんの
口占
(
くちうら
)
から、この土地を愛しながら愛する土地の人々にも病ゆえに肩身の狭い思いをして暮していた日野涼子の一家の、生前の侘しい生活が思いやられるような気持であった。
逗子物語
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
と千恵は、さりげなくHさんの
口占
(
くちうら
)
を引いてみました。
死児変相
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
「宗近の
阿爺
(
おとっさん
)
の
口占
(
くちうら
)
ではどうもそうらしいよ」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その時勇次郎の
口占
(
くちうら
)
を引いて、謎の意味を大方覺つたに違ひない——お茶に入れた毒に當つた頃もう一度そつと行つて、いろ/\の細工をしたのは、恐ろしい膽つ玉だ
銭形平次捕物控:113 北冥の魚
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
そのとき勇次郎の
口占
(
くちうら
)
を引いて、謎の意味を大方
覚
(
さと
)
ったに違いない——お茶に入れた毒に当った頃もう一度そっと行って、いろいろの細工をしたのは、恐ろしい胆っ玉だ
銭形平次捕物控:113 北冥の魚
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
千種十次郎は新聞記者らしく、巧みに相手の
口占
(
くちうら
)
から、何んかを
手繰
(
たぐ
)
り出そうとして居ります。
笑う悪魔
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「小僧ぢやない。小僧の
口占
(
くちうら
)
を引く奴が居るんだ」
銭形平次捕物控:059 酒屋火事
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「小僧じゃない。小僧の
口占
(
くちうら
)
を引く奴が居るんだ」
銭形平次捕物控:059 酒屋火事
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
口
常用漢字
小1
部首:⼝
3画
占
常用漢字
中学
部首:⼘
5画
“口”で始まる語句
口惜
口
口吻
口説
口髭
口籠
口許
口上
口調
口々