半信半疑はんしんはんぎ)” の例文
最初さいしょあいだ二人ふたりとも半信半疑はんしんはんぎであったものの、それが三度重たびかさなるにれて、ようやくこれではならぬとがついて、しばらくすると
と、そこでかれの半信半疑はんしんはんぎが、やおら、うでぐみとなって、まじりまじりと落着おちつかない目で、小文治こぶんじと龍太郎の顔色を読みまわして
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
フィアレンサイドは、いのまわってきたビールのいきおいもあって、テーブルをたたきながら、がんとして言いはった。ヘンフリイはまだ半信半疑はんしんはんぎ
平助は半信半疑はんしんはんぎで戸を開いてやりますと、正覚坊がちゃんと来ているではありませんか。平助の喜び方ったらありませんでした。夜ふけるまで二人で酒を飲んで、それから一緒に寝ました。
正覚坊 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
半信半疑はんしんはんぎってった坊主ぼうずは、をまるくして、雨戸あまど隙間すきまからのぞいた。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
それをくと、とうさんは半信半疑はんしんはんぎのままで、むすめそばはなれた。日頃ひごろかあさんのやくまでねて着物きもの世話せわからなにから一切いっさいけているとうさんでも、そのばかりはまったとうさんのはたけにないことであった。
伸び支度 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
それがあまりにもはなぎていますので、あなたがたことによると半信半疑はんしんはんぎ、よもやとおかんがえになられるかぞんじませぬが、これが事実じじつであってれば
げた! と聞いておどろいた熊蔵くまぞうや、張合はりあいぬけのした若侍わかざむらいたちが、半信半疑はんしんはんぎの目をさまよわせて、どこへげたのかと明け方にちかい八方の天地をながめまわすと——。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
船員は、半信半疑はんしんはんぎでトーマスの顔をじっと見つめた。