前後左右ぜんごさいう)” の例文
やゝながめなをぴよんとねた——こいつつてやあがる。前後左右ぜんごさいう、たゞいぬはしまいかと、内々ない/\びく/\ものでことを。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
『おうら、おうら。』とつたが、返事へんじない。雪枝ゆきえうきよろ/\しした、それ二足三足ふたあしみあしづゝ、前後左右ぜんごさいうを、ばた/\とつたり、たり……
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
よめ姿すがた彩色さいしきしては、前後左右ぜんごさいう額縁がくぶちのやうなかたちで、附添つきそつて、きざんでこしらへたものが、くものか、とみづから彫刻家てうこくかであるのをあざける了見れうけん
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
十六七ねんぎました。——唯今たゞいま鯖江さばえ鯖波さばなみ今庄いましやうえきが、れいおときこえた、なか河内かはち芽峠めたうげ尾峠をたうげを、前後左右ぜんごさいうに、たかふかつらぬくのでありまして、汽車きしやくもうへはしります。
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)