切結きりむす)” の例文
此方こなたも心得たりと抜き放ち、二、三ごう切結きりむすうち、以前の侍足を踏み滑べらせ路の片側なるがけかたへと落ち込む途端とたんすそを払ひし早業はやわざに、一人は脚にてもられ候や
榎物語 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
三人の眼は朝から晩までお竹を追って、六条の真剣のように、火花を散らして切結きりむすんでいたのです。
かはし汝此地に來りしときゝ渺々はる/″\尋ねし甲斐かひあつ祝着しうちやくなり無念をはらす時いたれり覺悟かくごせよといひさま替の筒脇差つゝわきざしにて切かゝり互ひにおとらず切結きりむすびしが六郎右衞門がいらつて打込うちこむ脇差にて竿竹さをだけ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
お花は心得たりと貞宗さだむね短刀たんたうを以て切結きりむすぶに女なれども喜内の妹ゆゑかねて手におぼえも有其上兄のかたきと思ひ一心こめ切立きりたてれば吾助もあなどがたくや思ひけん爰を專途せんどと戰ふ程に友次郎も忠八も手にあせ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
取に左仲は最早もはや生懸命しやうけんめいこしの一たうき放しきつて懸ればソリヤぬいたぞと兩方より手に/\きらめ山刀やまがたなうけつ流しつ切結きりむすぶ左仲は茲ぞ死物狂ひと働け共二人の賊は事ともせず斬立々々きりたて/\切捲きりまくれば終に左仲は斬立られかなはじとにげ行を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)