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俥夫
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くるまや
ふりがな文庫
“
俥夫
(
くるまや
)” の例文
日が暮れて
晩
(
おそ
)
く帰ると、牛込の料理屋から、
俥夫
(
くるまや
)
が持って
駈
(
か
)
けつけたという、先生の手紙があって、「弦光座にあり、待つ」とおっしゃる。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そして橋普請の
側
(
そば
)
を
俥夫
(
くるまや
)
が一人でえつちらおつちら重い俥を持ち悩んでゐるのを見ると、もう黙つてゐられなくなつた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
なるほど、それは、そうすれば
俥夫
(
くるまや
)
にやる御祝儀だけで事が足ります。
春泥
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
一宿
(
ひとやど
)
り。
一宿
(
ひとやど
)
りして、こゝを、
又
(
また
)
こゝから
立
(
た
)
つて、
大雪
(
おほゆき
)
の
中
(
なか
)
を
敦賀
(
つるが
)
へ
越
(
こ
)
した
事
(
こと
)
もある。
俥
(
くるま
)
はきかない。
俥夫
(
くるまや
)
が
朝
(
あさ
)
まだき
提灯
(
ちやうちん
)
で
道案内
(
みちあんない
)
に
立
(
た
)
つた。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
見ると孟子は居ないで、孟子よりか少し腕つ節の
勁
(
つよ
)
さうな
俥夫
(
くるまや
)
が立つてゐた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
こゝに
希有
(
けう
)
な
事
(
こと
)
があつた。
宿
(
やど
)
にかへりがけに、
客
(
きやく
)
を
乘
(
の
)
せた
俥
(
くるま
)
を
見
(
み
)
ると、
二臺三臺
(
にだいさんだい
)
、
俥夫
(
くるまや
)
が
揃
(
そろ
)
つて
手
(
て
)
に
手
(
て
)
に
鐵棒
(
かなぼう
)
を
一條
(
ひとすぢ
)
づゝ
提
(
さ
)
げて、
片手
(
かたて
)
で
楫
(
かぢ
)
を
壓
(
お
)
すのであつた。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
箪笥といふものは、博士の
宅
(
うち
)
にあつても、
俥夫
(
くるまや
)
の
宅
(
うち
)
にあつても感心な程腹の太いもので、亭主の
秘密
(
ないしよ
)
も、女房の
臍繰
(
へそくり
)
も、流行品も流行後れも同じやうに飲み込んで、ちつとも厭な顔を見せない。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
辻俥
(
つじぐるま
)
の
蹴込
(
けこみ
)
へ、ドンと積んで、
山塞
(
さんさい
)
の中坂を乗下ろし、三崎
町
(
ちょう
)
の原を切って、水道橋から
壱岐殿坂
(
いきどのざか
)
へ、ありゃありゃと、
俥夫
(
くるまや
)
と矢声を合わせ、
切通
(
きりどおし
)
あたりになると、社中随一のハイカラで
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
俥が橋のなか程まで来ると、
俥夫
(
くるまや
)
はがたりと梶棒をおろした。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
芝居
好
(
ずき
)
な方で、酔っぱらった遊びがえりの真夜中に、あなた、やっぱり芝居ずきの
俥夫
(
くるまや
)
と話がはずむと、壱岐殿坂の
真中
(
まんなか
)
あたりで、
俥夫
(
わかいしゅ
)
は吹消した
提灯
(
かんばん
)
を、鼠に踏まえて、
真鍮
(
しんちゅう
)
の
煙管
(
きせる
)
を鉄扇で
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
俥夫
(
くるまや
)
が
鐵棒
(
かなぼう
)
を
振舞
(
ふりまは
)
すのを、
橋
(
はし
)
に
立
(
た
)
つて
見
(
み
)
たのである。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
俥
漢検1級
部首:⼈
9画
夫
常用漢字
小4
部首:⼤
4画
“俥”で始まる語句
俥
俥屋
俥代
俥賃
俥上
俥宿
俥引
俥曳