“辻俥”の読み方と例文
読み方割合
つじぐるま100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼は夜は辻俥つじぐるまを挽き、これで得た金を食料に当て、先に資本として残した二十円には決して手を着けぬことに決心した。
私の小売商道 (新字新仮名) / 相馬愛蔵(著)
辻俥つじぐるま蹴込けこみへ、ドンと積んで、山塞さんさいの中坂を乗下ろし、三崎ちょうの原を切って、水道橋から壱岐殿坂いきどのざかへ、ありゃありゃと、俥夫くるまやと矢声を合わせ、切通きりどおしあたりになると、社中随一のハイカラで
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
年のころ五十ばかりの博士は、不断着のまま、辻俥つじぐるまなどに乗って、たまにそこへやって来るのであったが、それは単に三月とか四月とかの纏まった生活費と養育費とを渡しに来るだけに止まっていた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)