保姆うば)” の例文
又尼どもは皆聲めでたく歌ひて、穉き耶蘇を拜めりとのたまひぬ。こは皆保姆うばが教へつるなり。我は畫かきて小尼公を慰めき。
ある朝、二人が寝すごしたところで、女の保姆うばが来た。保姆はそれを見るとその足で判官に知らせに行った。
荷花公主 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
ここに至りて、われは甚だしくつかれ、あたかも小児こどもが慈母に抱かれて泣き止みたるが如く、またやさしき保姆うばのかなしき守歌もりうたをきかせられたるが如く、いつか熟眠の境に入りぬ。
一夜のうれい (新字新仮名) / 田山花袋(著)
それからちやうどこの秋のはじめに、お小さいアデラ・ヴァレンスさまと、お保姆うばさんとがいらしたのでございます。子供といふものは、ぐに家内を活々いき/\させるものでございますね。
それはせき末座まつざつらなつてつた一個ひとり年老としをいたる伊太利イタリー婦人ふじんで、このをんな日出雄少年ひでをせうねん保姆うばにと、ひさしき以前いぜんに、とほ田舍ゐなかから雇入やとひいれたをんなさうで、ひくい、白髮しらがあたまの、正直しやうじきさう老女らうぢよであるが
それはほかでもない、わすれもせぬ四年よねん以前いぜんこと春枝夫人はるえふじんと、日出雄少年ひでをせうねんと、わたくしとの三人みたりが、子ープルスかう波止塲はとばらんとしたとき濱島家はまじまけ召使めしつかひで、常時そのころ日出雄少年ひでをせうねん保姆うばであつた亞尼アンニーとて
ソフィイはねえ、あたしの保姆うばなんですのよ。