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何屋
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なにや
一
風呂浴びて
日の
暮れゆけば
突かけ
下駄に七五三の
着物、
何屋の
店の
新妓を
見たか、
金杉の
糸屋が
娘に
似て
最う一
倍鼻がひくいと
殺したる者なるべけれと思ひ此人は
何屋より送られし客人なるやと聞けば女房
答へて夫は桐屋からの客人なり金を四百兩預けられしが
何れも
歴々の人ならんと云ふを
何某の
御子息、
何屋の
若旦那と、
水茶屋の
娘には、
勿体ないくらいの
縁談も、これまでに五つや十ではなく、
中には
用人を
使者に
立てての、れッきとしたお
旗本からの
申込みも二三は
数えられたが
すはと
言はゞ
命がけの
勤めに
遊山らしく
見ゆるもをかし、
娘は
大籬の
下新造とやら、七
軒の
何屋が
客廻しとやら、
提燈さげてちよこちよこ
走りの
修業、
卒業して
何にかなる