くれ)” の例文
う腹を立っちゃア仕様がねえ、え、おい、だがねえお賤さん、人間が馬の腹掛を着て来るくれえの恥を明かしてお前さんに頼むのだ
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
隨分ずゐぶんあれえことしたとえつけな、らも近頃ちかごろになつてくれえな唐鍬たうぐは滅多めつたつたこたあねえよ、」鍛冶かぢあかねつした唐鍬たうぐはしばらつちたゝいて
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「分らねえだよ。に角、どのくれえ探してもいねえだ。どこかへ行っちまったゞよ」
青服の男 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
しながら稼ぎに来る女はいかい事ありますが、くれえなのは珍らしい女で、丁寧で口が利けねえのは余程よっぽど出がいんですねえ
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
是はうも実になア、新吉お賤さんはくれえ力落だか知れやアしねえ、ナア、ヘエ有難ういお茶だねえ、此様こんな良い茶を村の奴にのましたって分らねえ、ヘエ有難う
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
めえは今迄まアほかの女と違って信実なもんで、おらうち縁付かたづいても惣次郎を大切でえじにして、しゅうとへは孝行尽し、小前こめえもんにも思われるくれえで、流石さすが武家さむれえさんの娘だけ違ったもんだ
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)