乘移のりうつ)” の例文
新字:乗移
其他そのほか一團いちだん賤劣せんれつなる下等船客かとうせんきやくで、自己おのれ腕力わんりよくまかせて、突除つきの蹴倒けたをして、我先われさきにと艇中ていちう乘移のりうつつたのである。
端舟てんまのせて天神丸へぞ乘移のりうつしけりさて杢右衞門もくゑもんは十八人の水主かこ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
我先われさきその端艇たんてい乘移のりうつらんと、人波ひとなみうつて嘈閙ひしめさまは、黒雲くろくもかぜかれて卷返まきかへすやうである。
御預け相成しに付御迎へとして用人金子忠右衞門留守居るすゐ加川新右衞門參向さんかう仕つり候と云へば主税之助は會釋ゑしやくして是は/\御大儀ごたいぎそれがしこそ嘉川主税之助なり以後いご何かと御世話に相成んよろしく御頼み申すと言ひながら則ち乘物のりもの乘移のりうつるに生駒家の人數にんず前後を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
海賊船かいぞくせん此時このとき砲戰ほうせんもどかしとやおもひけん、なかにも目立めだ三隻さんせき四隻しせき一度いちど船首せんしゆそろへて、疾風しつぷう迅雷じんらい突喚とつくわんきたる、劍戟けんげきひかりきらめその甲板かんぱんには、衝突しやうとつとも本艦ほんかん乘移のりうつらんず海賊かいぞくども身構みがまへ