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乏
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とも
ふりがな文庫
“
乏
(
とも
)” の例文
実は無知な余を
詐
(
いつ
)
わり
終
(
おお
)
せた死は、いつの間にか余の血管に
潜
(
もぐ
)
り込んで、
乏
(
とも
)
しい血を追い廻しつつ流れていたのだそうである。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それだけを生きる張合にしていたが、口の端に通うものが
乏
(
とも
)
しくなるにつれ、知嘉姫は日増しにものを言わなくなった。
奥の海
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
前
(
まへ
)
にも
述
(
の
)
べた
通
(
とほ
)
り、
深海底
(
しんかいてい
)
から
拔
(
ぬ
)
け
出
(
で
)
た
火山
(
かざん
)
の
産
(
さん
)
する
鎔岩
(
ようがん
)
は
流動性
(
りゆうどうせい
)
に
富
(
と
)
んでゐるが、
大陸
(
たいりく
)
又
(
また
)
はその
近
(
ちか
)
くにある
火山
(
かざん
)
から
産
(
さん
)
するものは、
流動性
(
りゆうどうせい
)
に
乏
(
とも
)
しく
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
我が
皇
(
きみ
)
の怨敵たらんもの、いづくにか
将
(
はた
)
侍るべき、まこと我が皇の
御敵
(
おんあだ
)
たらんものの侍らば、痩せたる老法師の力
乏
(
とも
)
しくは侍れども、御力を用ゐさせ玉ふまでもなく
二日物語
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
されども世には真正の愛国者にして
国人
(
こくじん
)
に捨てられしものその人に
乏
(
とも
)
しからず、
耶蘇基督
(
いえすきりすと
)
その一なり、ソクラトスその二なり、シピオ、アフリカナスその三なり、ダンテ、アリギエーリその四なり
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
▼ もっと見る
結んだ口元をちょろちょろと
雨竜
(
あまりょう
)
の影が渡る。
鷺草
(
さぎそう
)
とも
菫
(
すみれ
)
とも片づかぬ花は依然として春を
乏
(
とも
)
しく咲いている。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と、
乏
(
とも
)
しい顔で笑ったというのは、聞くだにあわれな話であった。
我が家の楽園
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
ところどころ
縞
(
しま
)
の消えかかった着物の上に、細帯を一筋巻いたなりで、
乏
(
とも
)
しい髪を、大きな
櫛
(
くし
)
のまわりに巻きつけて、
茫然
(
ぼんやり
)
と、枝を
透
(
す
)
かした梧桐の
頂辺
(
てっぺん
)
を見たまま立っている。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
母が
乏
(
とも
)
しい髪を工面して、どうかこうか
髷
(
まげ
)
に
結
(
ゆ
)
い上げる様子は、いくら
上手
(
じょうず
)
が
纏
(
まと
)
めるにしても、それほど
見栄
(
みばえ
)
のある
画
(
え
)
ではないが、それでも退屈を
凌
(
しの
)
ぐには
恰好
(
かっこう
)
な慰みであった。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
乏
常用漢字
中学
部首:⼃
5画
“乏”を含む語句
貧乏
貧乏徳利
貧乏人
欠乏
窮乏
貧乏動
缺乏
貧乏世帶
貧乏籤
貧乏神
貧乏臭
闕乏
貧乏揺
貧乏世帯
貧乏搖
貧乏鬮
貧乏村
貧乏摺
貧乏䰗
引越貧乏
...