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下根
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げこん
ふりがな文庫
“
下根
(
げこん
)” の例文
浄土門の修業は
末法濁乱
(
まっぽうじょくらん
)
の時の教えであるから、
下根
(
げこん
)
下智の
輩
(
やから
)
を器とする。これを奥州への宣旨とする。それを取り違えてはならない。
法然行伝
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
“馴れ”だけに頼って行くのは
下根
(
げこん
)
、理詰めに物を考えて犯人を挙げるのは
中品
(
ちゅうぼん
)
、“勘”で行って、百に一つも間違いはないのが上々だ。
銭形平次捕物控:055 路地の小判
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
お
使
(
つかひ
)
の
口上
(
こうじやう
)
と
違
(
ちが
)
ひまして、つい
馴
(
な
)
れませぬ
事
(
こと
)
は
下根
(
げこん
)
のものに
忘
(
わす
)
れがちにござります、よく、
拜見
(
はいけん
)
して
覺
(
おぼ
)
えますやうに。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
まして我々
下根
(
げこん
)
の
衆生
(
しゆじやう
)
は、
好
(
い
)
い加減な野心に
煽動
(
せんどう
)
されて、
柄
(
がら
)
にもない大作にとりかかつたが
最期
(
さいご
)
、
虻蜂
(
あぶはち
)
とらずの
歎
(
たん
)
を招くは、わかり切つた事かも知れず。
雑筆
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
王侯と飲むのも、乞食と飲むのも、酒の味に変りはない。相手によって味が変るのは、下等な
下根
(
げこん
)
の奴だ。ここんところが、島村さんにはちっとも分らない。
別れの辞
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
▼ もっと見る
かく考えると伝統というようなことが、
下根
(
げこん
)
の者にはどんなに有難いことか。伝統は一人立ちが出来ない者を助けてくれる。それは大きな安全な船にも等しい。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
私などは育ちが
下根
(
げこん
)
で、ぬけぬけとそうはやりきれずに、つい女々しく、イヤミッたらしく言い訳に及んでしまうテイタラクであるから、まことに敵が憎く、また口惜しいのだが
ジロリの女
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
酔った。酔ったほどに、
下根
(
げこん
)
の典膳は、「お浦、俺の云うことを
諾
(
き
)
け」と云い出した。
血曼陀羅紙帳武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
今もかわらない人間の
相
(
すがた
)
をかえりみると、
自
(
みずか
)
ら
下根
(
げこん
)
の凡夫といい
愚禿
(
ぐとく
)
と称した彼の安心の住みかは、求めればいまでもたれの目の前にもあるのだという事実を
観
(
み
)
ずにいられないのだった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
現代
下根
(
げこん
)
の
衆生
(
しゅじょう
)
より受くる迫害の苦痛を
委却
(
いきゃく
)
するための便法である。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
この
蕪雑
(
ぶざつ
)
な
現
(
うつ
)
し
世
(
よ
)
も、美の訪れの場所である。そうして
下根
(
げこん
)
の凡夫も救いの御手に渡さるる身である。
工芸の道
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
されど
下根
(
げこん
)
の
衆生
(
しゆじやう
)
と生まれたからは、やはり
辛抱
(
しんばう
)
専一に苦労する外はあるまいと思ふ。(十月三日)
雑筆
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
御新姐樣
(
ごしんぞさま
)
、
此
(
こ
)
の
上
(
うへ
)
の
御無理
(
ごむり
)
は、
助
(
たす
)
けると
思召
(
おぼしめ
)
しまして、
其
(
そ
)
のお
歌
(
うた
)
を
一寸
(
ちよいと
)
お
認
(
したゝ
)
め
下
(
くだ
)
さいまし、お
使
(
つかひ
)
の
口上
(
こうじやう
)
と
違
(
ちが
)
ひまして、つい
馴
(
な
)
れませぬ
事
(
こと
)
は
下根
(
げこん
)
のものに
忘
(
わす
)
れがちにござります
片しぐれ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
こうなると、
下根
(
げこん
)
のカンの頼りなさが、はっきり呑込めます。
銭形平次捕物控:055 路地の小判
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
(早いな、
汝
(
われ
)
がような
下根
(
げこん
)
な奴には、三年かかろうと思うた分別が、
立処
(
たちどころ
)
は偉い。
俺
(
おれ
)
を呼ぶからには工夫が着いたな。まず、
褒美
(
ほうび
)
を遣る。そりゃ頂け、)と柿の
蔕
(
へた
)
を、色白な多一の頬へたたきつけた。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
藝道で立つ家に取つて、
下根
(
げこん
)
の子ほど荷厄介なものはない。
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
下
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
根
常用漢字
小3
部首:⽊
10画
“下根”で始まる語句
下根岸