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一塊
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ひとかたま
ふりがな文庫
“
一塊
(
ひとかたま
)” の例文
やがて
他
(
ほか
)
の連中も、そんな私の後から
一塊
(
ひとかたま
)
りになって、一
箇
(
こ
)
の懐中電気を
頼
(
たよ
)
りにしながら、きゃっきゃっと言って降りて来た。……
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
と、東儀と羅門とは、すぐその
一塊
(
ひとかたま
)
りの人影を
急
(
せ
)
き
立
(
た
)
てたが、同時に、うしろで、異様な物音がしたので、はッとして振りかえって見ると
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
蓄えたくわえたうっ憤を晴すためにおらびあっておしかけて来る——それであった。大工とトビの連中が
一塊
(
ひとかたま
)
りになって松岡にとびかかった。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
おやとまたもそちらに
眸
(
ひとみ
)
をそらすと、
暗憺
(
あんたん
)
として物色も出来ぬ中に、例のちゃんちゃん姿の
三介
(
さんすけ
)
が砕けよと
一塊
(
ひとかたま
)
りの石炭を
竈
(
かまど
)
の中に投げ入れるのが見えた。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
まるで伊太利の陽が、晴々とした渡り鳥の群か何かのやうに、南から
一塊
(
ひとかたま
)
りになつてやつて來て、アルビオンの
崖
(
がけ
)
の上に
憇
(
いこ
)
つて、羽を休めてゐるやうであつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
▼ もっと見る
だがその二十人ほどは道側の生垣のほとりに
一塊
(
ひとかたま
)
りになって、何かしゃべりながらも飛びまわることはしないでいたのだ。興味の深い静かな遊戯にふけっているのであろう。
卑怯者
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
学生達は、伍長を中に
一塊
(
ひとかたま
)
りになって
茶館
(
カフェー
)
を出ると、
銘々
(
めいめい
)
自分の行動に立派な理由を見出して、それにすっかり満足しながら、魔窟のある露地の方へ意気揚々と押し出して行った。
雲南守備兵
(新字新仮名)
/
木村荘十
(著)
ちょうど六月のことだったが、たびたびの雷雨に冷え冷えとした気候だった。空はどんより曇って、日の光が半ばかげっていた。低い雲が風に運ばれ
一塊
(
ひとかたま
)
りとなって重々しく動いていた。
ジャン・クリストフ:10 第八巻 女友達
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
高山
(
たかやま
)
の雪
深
(
ふか
)
く
積
(
つも
)
りて
凍
(
こほり
)
たる上へ
猶
(
なほ
)
雪ふかく
降
(
ふ
)
り
重
(
かさな
)
り、時の
気運
(
きうん
)
によりていまだこほらで
沫々
(
あわ/\
)
しきが、山の
頂
(
いたゞき
)
の大木につもりたる雪、風などの為に
一塊
(
ひとかたま
)
り
枝
(
えだ
)
よりおちしが山の
聳
(
そびえ
)
に
随
(
したが
)
ひて
転
(
まろ
)
び
下
(
くだ
)
り
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
ネクタイ屋の看板にしては、これはすこし
物騒
(
ぶっそう
)
すぎる。聖公教会の門のところに、まるで
葡萄
(
ぶどう
)
の
房
(
ふさ
)
みたいに
一塊
(
ひとかたま
)
りに、
乞食
(
こじき
)
どもがかたまっている。
旅の絵
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
そこからはさらに近々と、辻にかたまっている人影までが
幽
(
かす
)
かに読まれた。ちょうど松の根元を中心にして、十人ほどの
一塊
(
ひとかたま
)
りが、霧の下にじっと槍を立てている——
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
横向に
庇
(
ひさし
)
を向いて開いた引窓から、また
花吹雪
(
はなふぶき
)
を
一塊
(
ひとかたま
)
りなげ込んで、烈しき風の吾を
遶
(
めぐ
)
ると思えば、戸棚の口から弾丸のごとく飛び出した者が、避くる
間
(
ま
)
もあらばこそ
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それが川べりの道の上にところどころ
一塊
(
ひとかたま
)
りになりながら落ちているのがずっと先きの先きの方まで
見透
(
みとお
)
されていた。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
だからこの際理論の方から
這入
(
はい
)
れば成立し得るあらゆる歴史に通用する議論が立てられますし、またはユーゴーとか、バルザックとか云う名前で代表している作物を、
一塊
(
ひとかたま
)
りの堅牢体で
創作家の態度
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
或る日、私はその小さな村を真ん中から二等分している一すじの掘割に、いくつとなく架けられている古い木の橋の一つの
袂
(
たもと
)
に、学校帰りらしい村の子供たちが
一塊
(
ひとかたま
)
りになっているのを認めた。
三つの挿話
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
そしてその流し場に、
一塊
(
ひとかたま
)
りの血を吐いていた……
麦藁帽子
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
塊
常用漢字
中学
部首:⼟
13画
“一塊”で始まる語句
一塊片