“ゆういん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
誘引33.3%
誘因22.2%
幽咽11.1%
幽陰11.1%
幽韻11.1%
遊印11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
過日絮談じょだんの折にお話したごとく某々氏瓢酒ひょうしゅ野蔬やそ春郊しゅんこう漫歩まんぽの半日をたのしもうと好晴の日に出掛でかける、貴居ききょはすでに都外故そのせつたずねしてご誘引ゆういんする
野道 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
このさい一言いちげんして必要ひつようのあることは地震ぢしん副原因ふくげんいんといふことである。すなは地震ぢしんおこるだけの準備じゆんび出來できてゐるとき、それを活動かつどうてんぜしめる機會きかいあたへるところの誘因ゆういんである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
朗詠の歌の詞は「新豊しんぽうの酒の色は鸚鵡盃おうむはいの中に清冷たり、長楽ちょうらくの歌の声は鳳凰管ほうおうかんうち幽咽ゆういんす」というのだそうであるが
雑記(Ⅰ) (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
しかも『東雅とうが』に幽陰ゆういんところと説明しているのは、あの『古事記』の根堅洲国ねのかたすくにの一段を、まともに読んでみた人の言葉とは思われない。大穴牟遅神おおあなむちのかみの訪問された根の国は、十分に明るかった。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
なんじに筧の水の幽韻ゆういんはない。雪氷をかした山川の清冽せいれつは無い。瀑布ばくふ咆哮ほうこうは無い。大河の溶々ようようは無い。大海の汪洋おうようは無い。儞は謙遜な農家の友である。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
東堂が質に入れたのは、銅仏一躯いっく六方印ろくほういん一顆いっかとであった。銅仏は印度インドで鋳造した薬師如来やくしにょらいで、戴曼公たいまんこうの遺品である。六方印は六面に彫刻した遊印ゆういんである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)