“一躯”の読み方と例文
読み方割合
いっく100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして、眼を赤くしたまま、枕もとに坐っている秀吉の姿と、——今は一躯いっくの冷たいなきがらとなっている友、半兵衛重治のすがたとを見て
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
東堂が質に入れたのは、銅仏一躯いっく六方印ろくほういん一顆いっかとであった。銅仏は印度インドで鋳造した薬師如来やくしにょらいで、戴曼公たいまんこうの遺品である。六方印は六面に彫刻した遊印ゆういんである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
タタライはおそらくタタラ師住地の義であろう。また上総夷隅いすみ郡東村大字山田の銕鋳坂かねえざかでは坂の上の草堂に銕像の大日だいにち一躯いっくを安置し、銕鋳坂は始めて大日の像を鋳たる地と伝えている(房総志料)。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)