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やりなほ
此所を
聞けよ、
二人の
人。……
御身達が、
言ふ
通り、
今新しく
遣直せば、
幾干か
勝れたものは
出来やう、がな、
其は
唯前のに
較べて
些と
優ると
言ふばかりぢや。
美い
婦の
木像さ
又遣直すだね。えゝ、お
前様、
対手が
七六ヶしいだけに
張合がある……
案山子ぢや
成んねえ。
素袍でも
着た
徒が
玉の
輿持つて、へい、お
迎、と
下座するのを
作らつせえ。
(
又……
遣直しぢや。)と
呟きながら、
其の
蚤の
巣をぶら
下げると、
私が
茫然とした
間に、のそのそ、と
越中褌の
灸のあとの
有る
尻を
見せて、そして、やがて、
及腰の
祠の
狐格子を
覗くのが
見えた。
遣直さつしやい、
新にはじめろ、
最一つ
作れさ。