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ぶさはふ
『
下りて
来て、ちやんと
申さぬかい、
何ぢや、
不作法な。』と
亭主が
炉端から
上睨みを
行る。
不作法な
言辭に
麻痺して
居る
彼等はどうしたら
相互に
感動を
與へ
得るかと
苦心しつゝあつたかと
思ふ
樣な
卑猥な一
句が
唐突に
或一
人の
口から
出ると
他の一
人が
又それに
應じた。
コロボツクルの男子中
果して衣服を
着ざる者有りとせばアイヌは
實に其
無作法に
驚きしならん。氣候の
寒暖は衣服の有無を
决定するものに
非ず。
斯う
話してる
間も
彼は
絶えず
空を
仰視て
居るので、
愛ちやんは
眞個に
無作法な
者もあればあるものだと
思ひました。