無作法ぶさはふ)” の例文
乳母 はい、御機嫌ごきげんよう。……もし/\、あのひとは、ま、なんといふ無作法ぶさはふわかしゅでござるぞ? あくたいもくたいばかりうて。
生徒のある者は無智であると同時に無作法ぶさはふで粗暴で手におへぬが、他の子達は素直で勉強する心があり、このましい性質を表はしてゐる。
コロボツクルの男子中はたして衣服をつけざる者有りとせばアイヌはじつに其無作法ぶさはふおどろきしならん。氣候の寒暖かんだんは衣服の有無を决定けつていするものにあらず。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
はなしてるかれえずそら仰視みあげるので、あいちやんは眞個ほんとう無作法ぶさはふものもあればあるものだとおもひました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
マアそれいがね、どうもおまへなん使つかひだつて、あんま無作法ぶさはふすぎるぢやアないか、ものわきまへて見なさい、マアわたしうちだからいが、ほかつてんな事をすると笑はれるよ
西洋の丁稚 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
フェアファックス夫人! 私は黒い上衣うはぎを着、未亡人の帽子を被つた——多分冷淡な、しかし無作法ぶさはふな程ではない彼女、年老いた英吉利人の尊敬すべき人物の型を想像した。
「まあ、そんなことございませんわ! あの、もし、お返しにあなたが博愛主義者でゐらつしやるかどうかをうかゞふとしましたら、多分、私を無作法ぶさはふだとお思ひになりますでせうね。」