“のりくみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
乗組45.5%
乘組27.3%
乘船9.1%
乗組員9.1%
船員9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
竜神松五郎が房州沖で、江戸へ行く客船をおびやかして、乗組のりくみ残らず叩殺たたきころしたが、中に未だ産れ立の赤ン坊がいた。
悪因縁の怨 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
此處こゝを、發車はつしやころよりして、乘組のりくみ紳士しんし貴夫人きふじん彼方此方あちらこちらに、フウ/\と空氣枕くうきまくら親嘴キスするおと。……
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
丁度ちやうど此時このとき休憩所きうけいしよでは乘船のりくみ仕度したくとゝのつたとへ、濱島はまじましきりにわたくしこゑきこえた。
やがて、この集會つどひをはると、十間近まぢかで、いよ/\弦月丸げんげつまる乘船のりくみ時刻じこくとはなつたので、濱島はまじま一家族いつかぞくと、わたくしとはおな馬車ばしやで、おほくひと見送みおくられながら波止塲はとばきたり、其邊そのへんある茶亭ちやてい休憇きうけいした
何もあの小僧が居なけあ船が出ねえって理窟りくつもあるめえし……おめえんとこの船長おやじがいくら変者かわりものだってそんな無鉄砲な酔狂をして乗組員のりくみを腐らせるような馬鹿ばかでもあんめえ。
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「駄目だよ。ウチの船長おやじは会社の宝物ほうもつだからな。チットぐれえの気紛きまぐれなら会社の方で大目に見るにきまっている。船員のりくみだって船長おやじが桟橋に立って片手を揚げれや百や二百は集まって来るんだ」
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)