乗組のりくみ)” の例文
旧字:乘組
スルトそのつな引張ひっぱって呉れ、其方そっちの処を如何どうして呉れと、船頭せんどうが何か騒ぎ立て乗組のりくみの私に頼むから、ヨシ来たとうので纜を引張たり柱を起したり
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
竜神松五郎が房州沖で、江戸へ行く客船をおびやかして、乗組のりくみ残らず叩殺たたきころしたが、中に未だ産れ立の赤ン坊がいた。
悪因縁の怨 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
若い人は筑前ちくぜん出生うまれ、博多の孫一まごいちと云ふ水主かこでね、十九の年、……七年前、福岡藩の米を積んだ、千六百こく大船たいせんに、乗組のりくみ人数にんず、船頭とも二十人、宝暦ほうれきうまとし十月六日に
印度更紗 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
翌年正月十九日の夕、とも咸臨丸かんりんまる乗組のりくみ浦賀湾うらがわん出帆しゅっぱんしたり。
潜水艦伊号一〇一乗組のりくみ
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)