“とうろ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
燈籠28.6%
当路19.0%
頭顱14.3%
燈炉9.5%
東潞4.8%
登宇呂4.8%
磴路4.8%
逃路4.8%
陶炉4.8%
頭臚4.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
やがて彼女の手より閃めき出でし蘭法附木つけぎの火、四方に並べし胡麻ごま燈油の切子硝子きりこ燈籠とうろに入れば、天井四壁一面に架けつらねしギヤマン鏡に、何千、何百となく映りはえて、二十余畳にも及ぶべき室内
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
当路とうろの役人ほど馬鹿な事を考える人間はない。東京なる都市の体裁、日本なる国家の体面に関するものを挙げたなら貧民窟の取払いよりも先ず市中諸処に立つ銅像の取除とりのけを急ぐが至当であろう。
大震災前コロムビア商会に来たポスターのカサルスは、もはや燦然たる頭顱とうろであった。
にわか燈炉とうろをたき火鉢をよせ懐炉かいろを入れなどす。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
近ごろその軍団長のちょうという将軍が、東潞とうろ州から赴任してきた。さらに、その張将軍が腰巾着こしぎんちゃくとして連れて来た男もある。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もとより手前はやくざ、生れ故郷は東潞とうろ州でござんす。苗字みょうじりゅう、名はとう、と申しましても、それは顔も知らないうちに死に別れた親のくれた名。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
越中立山の口碑では、結界けっかいを破って霊峰に登ろうとした女性の名を、若狭の登宇呂とうろうばと呼んでいる。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
山中やまなかといふ所にいたる。経来へきたり磴路とうろ崖谷がいこくみな眼下指頭にあり。東南のかたひらけて武蔵下野上野、筑波日光の諸山を望む。今春江戸の回禄せしときも火光を淡紅にあらはせりと、茶店ちやてんの老婦語れり。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
ついに父は荒川放水を逃路とうろの限りとして背水のじんき、青海流水泳の最後の道場を死守するつもりである。
渾沌未分 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
二重ふたえ玻璃窓ガラスまどをきびしくとざして、大いなる陶炉とうろに火をきたる「ホテル」の食堂を出でしなれば、薄き外套がいとうをとおる午後四時の寒さはことさらに堪えがたく、はだ粟立あわだつとともに
舞姫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)