頭顱とうろ)” の例文
主人というのは五十あまりの赤く禿げあがった頭顱とうろに上品な白髪をまばらに生やした、油ぎった顔色の男であった。
地上:地に潜むもの (新字新仮名) / 島田清次郎(著)
大震災前コロムビア商会に来たポスターのカサルスは、もはや燦然たる頭顱とうろであった。
壇に向かって後ろ上がりに何列となく並んだ椅子の列には、色々の服装をした、色々の年輩の議員達の色々の頭顱とうろが並んでいた。私は意外に空席がかなりに多い事を不思議に思った。
議会の印象 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)