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ちやうあん
傳へ
聞く、
唐土長安の
都に、
蒋生と
云ふは、
其の
土地官員の
好い
處。
何某の
男で、ぐつと
色身に
澄した
男。
今時本朝には
斯樣のもあるまいが、
淺葱の
襟に
緋縮緬。
閭は
前日に
下役のものに
言つて
置いて、
今朝は
早く
起きて、
天台縣の
國清寺をさして
出掛けることにした。これは
長安にゐた
時から、
台州に
著いたら
早速往かうと
極めてゐたのである。
其の
父、
此の
無足婦人を
膝行軌に
乘せ、
自ら
推しめぐらして
京都の
南の
方より
長安の
都に
來り、
市の
中にて、
何うぞやを
遣る。
聚り
見るもの、
日に
數千人を
下らず。