“たじ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
他事50.0%
多時18.8%
12.5%
退避6.3%
田道6.3%
駄児6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
つがせ其身はたゞ明暮あけくれ念佛ねんぶつの門に入て名號みやうがうとなふるほか他事たじなかりしとぞ依て追々おひ/\佛果ぶつくわを得富右衞門は長命ちやうめいにてつひに年齡八十一歳に至りねむるが如く大往生だいわうじやうを遂げしとぞ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
岩上に盤踞ばんきよして四顧すること多時たじ、興の盡くるを待ちて、來路をもとめ、再び木曾川の流に沿ふ。
秋の岐蘇路 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)
彼は始め階上にひそんでいたが、私たちをうまくやり過ごしたところで階段を下りて逃げだしたが、出口に頑張がんばっていた山城刑事に退路たいろたたたれ、たじろぐところを追いすがった折井刑事に組みつかれ
疑問の金塊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
お延は不意を打たれて退避たじろいだ。津田の前でかつて挨拶あいさつに困った事のない彼女の智恵が、どう働いて好いか分らなくなった。ただ空疎な薄笑が瞬間のきょたした。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
津田はこのでたらめの前に退避たじろぐ気色けしきを見せた。お秀の所でそくなったにがい経験にもりず、また同じ冒険を試みたお延の度胸はむくいられそうになった。彼女は一躍して進んだ。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
第十六代の天皇仁徳の時代には、天皇の弟の隼別はやぶさわけ皇子と雌鳥めとり皇女とは、罪を犯して、死を命じられた。いっぽう、蝦夷が反抗した。将軍田道たじは、それを討ちにいって、破れて死んだ。
温泉あり。綿の湯といふ。上中下かみなかしもわかつている。上の湯は清灑せいしやにして臭気なし。これを飲めば酸味あり。上の湯の流あまりをたむるを中といひ、又それにつぐを下といふ。轎夫けうふ駄児たじの類浴する故穢濁くわいだくなり。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)