他事たじ)” の例文
... みづかうましとぞんずるものをかまはずつかまつれ」とまた他事たじくおほすれば、不得止やむをえずかしこまりさふらふ」と御請申おうけまをして退出まかんでける。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
つがせ其身はたゞ明暮あけくれ念佛ねんぶつの門に入て名號みやうがうとなふるほか他事たじなかりしとぞ依て追々おひ/\佛果ぶつくわを得富右衞門は長命ちやうめいにてつひに年齡八十一歳に至りねむるが如く大往生だいわうじやうを遂げしとぞ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
猶雪の奇談きだん他事たじ珎説ちんせつこゝにもらしたるもいとおほければ、生産せいさんいとまふたゝびへんつぐべし。
お若と伊之助は頻りに身の淫奔いたずらを詫び、何うかこれまでの行いはお許し下さる様にと他事たじはございません。妖怪変化のものは如何によく化けますといっても、必ず耳が動くものだそうにございます。
胎児を大切に注意し呉れよと他事たじもなき頼みなり。
母となる (新字旧仮名) / 福田英子(著)
うぞ其後そのあとを、それから、」とには他事たじをいふうちがもどかしく、にべもなくつゞきうながした。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
猶雪の奇談きだん他事たじ珎説ちんせつこゝにもらしたるもいとおほければ、生産せいさんいとまふたゝびへんつぐべし。
胎児を大切に注意しくれよと他事たじもなき頼みなり。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)