多時たじ)” の例文
巖谷氏いはやし住所ぢうしよころ麹町かうぢまち元園町もとぞのちやうであつた。が麹町かうぢまちにも、高輪たかなわにも、千住せんぢゆにも、つこと多時たじにして、以上いじやう返電へんでんがこない。今時いまどきとは時代じだいちがふ。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
岩上に盤踞ばんきよして四顧すること多時たじ、興の盡くるを待ちて、來路をもとめ、再び木曾川の流に沿ふ。
秋の岐蘇路 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)
三歩にして尽くる部屋の入口を出るとき、かえりみてにこりと笑った。茫然ぼうぜんたる事多時たじ
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)