“しゅうと”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
64.7%
18.4%
舅姑4.2%
岳父3.2%
囚徒2.6%
宗徒1.6%
1.6%
主取1.1%
舅父1.1%
乃舅0.5%
婦翁0.5%
衆徒0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
母は、しゅうとに孝行であるから、それをもらっても、ありがたそうな顔をして、帯の上に、それでもなるべく目立たないように吊り下げる。
ろまん灯籠 (新字新仮名) / 太宰治(著)
彼は会堂を出でてただちに、己が最初の弟子の一人であるシモン(別名をペテロという)の家に入り、そのしゅうとの熱病をいやした。
キリスト教入門 (新字新仮名) / 矢内原忠雄(著)
寧子も長女ではあるが、下には妹のおや屋もいることだし——というような話から、新夫婦は舅姑しゅうともとを離れて、べつに住むようになったのである。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
女房はまだ部屋住でいた時に迎えて、もう子供が二人ある。里方は深川木場の遠州屋太右衛門である。しかし女房も岳父しゅうともただ手をつかねて傍看する外無かった。
細木香以 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
わたしは、十ねん、二十ねん牢獄ろうごくにあった囚徒しゅうとが、放免ほうめんされたあかつき日光にっこうのさんさんとしてみなぎる街上がいじょうへ、されたときのことを想像そうぞうしたのであります。
自由 (新字新仮名) / 小川未明(著)
領主のさとるところとなると、山から山を遊牧して、またどこかに聖教の村を作る——そういったふうな宗徒しゅうとは今に至っても決して絶えていないのでありました。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
小翠は美しいうえにまたひどくりこうであった。能くしゅうとしゅうとめの顔色をつかえた。王夫妻もなみはずれて小翠を可愛がった。それでも二人は嫁が馬鹿なせがれを嫌いはしないかと思って恐れた。
小翠 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
文「手前は主取しゅうとりの望みはござらぬ、折を見て出家いたす心底しんていでござる」
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
詰問なじるようでも、老先生のことばの底には、よい舅父しゅうとらしい、優しさ、温かさが、あふれている。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
両親並びて、五六歳の男児おのこの父の膝にりたるは、武男が幼きころの紀念なり。カビネの一人ひとりうつしの軍服なるは乃舅しゅうと片岡中将なり。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
「いや、こうなるのも運命じゃ、しかし、あれは歿くなっても、わしはやっぱりあんたの婦翁しゅうとじゃ、いつまでも助けあって暮そう、それにあんたも、もうお父さんもお母さんもないから、わしの家にいるがいい」
金鳳釵記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
浅井、朝倉に山門の衆徒しゅうとも加わり、敵は何せい、二万をこえる大軍にござりますれば——無念、力も及びませぬ。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)