“こざ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
胡坐31.6%
小賢15.8%
胡座15.8%
孤坐10.5%
枯坐10.5%
踞坐10.5%
5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
どっかと胡坐こざして、かがりの如き眼光鋭く、じろりと新九郎を睥睨へいげいした様子、これなん大円房覚明と見えた。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
握る名と奪えるほまれとは、小賢こざかしきはちが甘くかもすと見せて、針をて去る蜜のごときものであろう。いわゆるたのしみは物にちゃくするより起るがゆえに、あらゆる苦しみを含む。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「膝を崩したらどうです」東湖は大きく胡座こざし、自ら酌をしてぐいぐいと飲みだした、「今日はもう固苦しい話はやめだよ、それより世間話をしよう、あんたは校川さんのせがれさんだそうだね」
新潮記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
そう云う中でひとり影の如く孤坐こざしている父を見ることは、何か奇怪な夢の世界に引き入れられた感じであったが、でもあたりには鼻をく屍臭が瀰漫びまんしていたので
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
昨日きのうまでは綿入を二枚重ねていたのに今日はあわせ半袖はんそでのシャツだけで、朝から運動もせず枯坐こざしたぎりであるから、不充分な血液はことごとく胃のために働いて手足の方へは少しも巡回して来ない。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
危岩突兀とつこつまさに頭上にちんとす、進退たにまりあへて良策をあんするものなく、一行叢中に踞坐こざして又一語なし、余等口をひらきて曰く、すすむもかた退しりぞくも亦かたし、難は一なりむしすすんでくるしまんのみと
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
「もし、半之丞さまでは御座りませぬか。——ああ、もし、半之丞さま。虎松でこざいますよ」
くろがね天狗 (新字新仮名) / 海野十三(著)