“こうあん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
苟安29.0%
公案29.0%
弘安12.9%
考案6.5%
公安3.2%
厚安3.2%
孝庵3.2%
幸庵3.2%
洪庵3.2%
考按3.2%
興安3.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
だが一般に認識はややともすれば懶惰で苟安こうあんに走る性質を持つから、そうした懶惰な認識に仮睡を与えることが道義的感触の役目となる。
現代日本の思想対立 (新字新仮名) / 戸坂潤(著)
彼から云うといわゆる公案こうあんなるものの性質が、いかにも自分の現在と縁の遠いような気がしてならなかった。自分は今腹痛で悩んでいる。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
弘安こうあんの昔と昭和の今日とでは世の中が一変していることを忘れてはならないのである。
天災と国防 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
この日はとうとう物置きに適当てきとうほらを発見することができなかった。そこでバクスターの考案こうあんで、ほらの内部の壁のやわらかいところをほって、室をひろげることにした。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
爾後じごふたゝ公安こうあんみだるにおいては汝等なんぢらいのちいぞよ。今日こんにち者共ものどもみな立退たちされ、カピューレットはしたがまゐれ。
「七日。(十二月。)晴。風寒甚かぜさむきことはなはだし。石川貞三昨夜帰著に付、悦行飲。」貞蔵、初の称厚安こうあん、貞白の子である。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
やりましてね、孝庵こうあんさんがいちおう手当だけはしてくれたんですが、ええ、いやそうじゃない、十兵衛じゃありません。十兵衛はちゃんと鶯をにらんでます、ええ、五郎吉のところです
赤ひげ診療譚:06 鶯ばか (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
お園は何も大した病気でもないから宿へ下げる程でもなし、あれも長く勤めておることだから、少しの病気なれば、医者は此方こっちで、山田さんが不都合なら、幸庵こうあんさんを
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
如何どうでもましょうといって、ソレカラ私儀わたくしぎ大阪おもて緒方洪庵こうあんもとに砲術修業に罷越まかりこしたい云々うんぬんと願書を出して聞済ききずみになって、大阪に出ることになった。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
今、西村先生ここに論及せざるものは、けだしこれを目睫もくしょうしっするものならん。およそ人の万物に霊たるは、その思慮考按こうあんのあるゆえんなり。これをもってよく古代の籕文ちゅうぶんを読み、磨滅の篆字てんじを解す。
平仮名の説 (新字新仮名) / 清水卯三郎(著)
彼は蒲東ほとうから興安こうあんへ出て布店ぬのみせをやっているおじもとにいて、秦晋しんしんの間を行商している者で、その時は興安へ帰るところであった。
陳宝祠 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)