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鮟鱇
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あんかう
ふりがな文庫
“
鮟鱇
(
あんかう
)” の例文
鮟鱇
(
あんかう
)
は
腹
(
はら
)
をぶく/\さして、
肩
(
かた
)
をゆすつたが、
衣兜
(
かくし
)
から
名刺
(
めいし
)
を
出
(
だ
)
して、
笊
(
ざる
)
のなかへまつすぐに
恭
(
うやうや
)
しく
置
(
お
)
いて
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
殘つた魚を竹の皮包にして持つて歸つたのは、後で
鮟鱇
(
あんかう
)
と判つては面白くないからだ。
銭形平次捕物控:083 鉄砲汁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
寒鯥
(
かんむつ
)
、
鮟鱇
(
あんかう
)
、
寒比目魚
(
かんびらめ
)
なぞをかつぎながら、毎日大森の方から來てわたしの家の前に荷をおろす年若な肴屋がある。冬の魚を賣つて行く。その後には何かしら威勢のいゝ、勇みなものが殘る。
桃の雫
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
水仙
(
すゐせん
)
薫
(
かを
)
る
浮世小路
(
うきよこうぢ
)
に、やけ
酒
(
ざけ
)
の
寸法
(
すんぱふ
)
は、
鮟鱇
(
あんかう
)
の
肝
(
きも
)
を
解
(
と
)
き、
懷手
(
ふところで
)
の
方寸
(
はうすん
)
は、
輪柳
(
わやなぎ
)
の
絲
(
いと
)
を
結
(
むす
)
ぶ。
結
(
むす
)
ぶも
解
(
と
)
くも
女帶
(
をんなおび
)
や、いつも
鶯
(
うぐひす
)
の
初音
(
はつね
)
に
通
(
かよ
)
ひて、
春待月
(
はるまちつき
)
こそ
面白
(
おもしろ
)
けれ。
五月より
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「それと氣の付いた御家人喜六と唐人お勇が、吉三郎如きに大事の手形を取られちや
叶
(
かな
)
はないから、
鮟鱇
(
あんかう
)
を
河豚
(
ふぐ
)
と言つて食はせ、實は毒酒で殺して死骸から
牙彫
(
けばり
)
の手形を拔いたのだよ」
銭形平次捕物控:083 鉄砲汁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
けれども
鰤
(
ぶり
)
ではたしかにない、あの
腹
(
はら
)
のふくれた
様子
(
やうす
)
といつたら、
宛然
(
まるで
)
、
鮟鱇
(
あんかう
)
に
肖
(
に
)
て
居
(
ゐ
)
るので、
私
(
わたし
)
は
蔭
(
かげ
)
じやあ
鮟鱇博士
(
あんかうはかせ
)
とさういひますワ。
此間
(
このあひだ
)
も
学校
(
がくかう
)
へ
参観
(
さんくわん
)
に
来
(
き
)
たことがある。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
六人の美しい女を、六樣に描きわけた、恐ろしく色つぽい唐紙で仕切られた八疊の部屋の入口に、
長押
(
なげし
)
にぶら下げられた主人の丹右衞門は、
鮟鱇
(
あんかう
)
のやうに斬られて死んでゐるぢやありませんか
銭形平次捕物控:209 浮世絵の女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
鮟鱇
(
あんかう
)
にしては
少
(
すこ
)
し
顔
(
かほ
)
がそぐはないから
何
(
なに
)
にしやう、
何
(
なに
)
に
肖
(
に
)
て
居
(
ゐ
)
るだらう、この
赤
(
あか
)
い
鼻
(
はな
)
の
高
(
たか
)
いのに、さきの
方
(
はう
)
が
少
(
すこ
)
し
垂
(
た
)
れさがつて、
上唇
(
うはくちびる
)
におつかぶさつてる
工合
(
ぐあい
)
といつたらない
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
いえ、生れて初めてださうで、ひどく嫌がつて居りましたが、二人に笑はれて我慢に食べたやうです。でも、一と
箸
(
はし
)
二た箸食ひ始めると、——こりや飛んだうまいや、
鮟鱇
(
あんかう
)
そつくりだ——そんな事を
銭形平次捕物控:083 鉄砲汁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“鮟鱇”の意味
《名詞》
鮟鱇(あんこう)
アンコウ目アンコウ科に属している魚類の総称。旬は冬で主に鮟鱇鍋にして食べる。大きなものはまな板の上では切れないので、縄でつるし、つるし切りにする。冬の季語。
(出典:Wiktionary)
鮟
漢検1級
部首:⿂
17画
鱇
漢検1級
部首:⿂
22画
“鮟鱇”で始まる語句
鮟鱇鍋
鮟鱇博士
鮟鱇切