“あんかう”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:アンカウ
語句割合
鮟鱇83.3%
暗紅16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
寒鯥かんむつ鮟鱇あんかう寒比目魚かんびらめなぞをかつぎながら、毎日大森の方から來てわたしの家の前に荷をおろす年若な肴屋がある。冬の魚を賣つて行く。その後には何かしら威勢のいゝ、勇みなものが殘る。
桃の雫 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
水仙すゐせんかを浮世小路うきよこうぢに、やけざけ寸法すんぱふは、鮟鱇あんかうきもき、懷手ふところで方寸はうすんは、輪柳わやなぎいとむすぶ。むすぶもくも女帶をんなおびや、いつもうぐひす初音はつねかよひて、春待月はるまちつきこそ面白おもしろけれ。
五月より (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
紅茶々碗を持つた儘、書斎へ引き取つて、椅子へこしを懸けて、茫然ぼんやりにはながめてゐると、こぶだらけの柘榴ざくろ枯枝かれえだと、灰色はいいろみき根方ねがたに、暗緑あんりよく暗紅あんかうはした様なわかい芽が、一面に吹きしてゐる。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)